海外のクライアントから入金を受けたあと、「領収書(Receipt)を発行してほしい」と依頼されることがあります。英文の領収書は、請求書とは目的が異なり、支払いが完了した事実を証明する書類です。本記事では、英文領収書の記載項目と、但し書きの英語表現、そして印紙税の考え方までを整理します。個別の税務判断は顧問税理士にご確認ください(執筆時点:2026年9月)。
領収書(Receipt)の役割
領収書は、代金の受け取りが完了したことを証明する書類です。英語ではReceiptと呼びます。請求書(Invoice)が「支払いを求める書類」であるのに対し、領収書は「支払いを受け取った後に発行する書類」です。海外のクライアントは、経費精算や自国での会計処理のために領収書を求めることがあります。
英文領収書の記載項目
- Receipt(タイトル) と Receipt No.(領収書番号)
- Date(発行日、実際に受領した日)
- 発行者(自社)名・住所・連絡先
- 宛先(Received from) の会社名または氏名
- 受領金額(Amount received) と 通貨
- 但し書き(For / In payment of):何に対する支払いか
- 受領方法(Payment method):銀行振込、クレジットカードなど
請求書の番号(Invoice No.)を併記しておくと、どの請求に対する領収書かが明確になります。
但し書きの英語表現
日本語の「〇〇代として」にあたる但し書きは、英語では次のように表します。
Received with thanks the amount of USD 3,000.00.In payment of Invoice No. INV-0001 for consulting services.For: website development (September 2026).Payment method: bank transfer.
「上記正に受領いたしました」にあたる決まり文句は、Received the above amount with thanks.が使えます。
印紙税の考え方
紙で発行する領収書(金銭の受取書)は、日本の印紙税法上の課税文書にあたる場合があります。国税庁のタックスアンサーNo.7105によれば、売上代金に係る受取書のうち記載金額が5万円未満のものは非課税とされています(国税庁 No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書)。5万円以上の紙の領収書には、金額に応じた収入印紙が必要になることがあります。
電子的に交付する領収書の印紙税の取扱いについては、このページには明記がないため、個別に確認が必要です。海外クライアント向けにPDFで発行する場合の扱いも含め、判断に迷う場合は顧問税理士にご確認ください。
領収書と請求書・インボイスの関係
領収書は支払いを受け取った事実を証明する書類であり、仕入税額控除のための適格請求書(インボイス)とは役割が異なります。適格請求書は、買手が消費税の仕入税額控除を受けるために保存する書類で、記載事項が法令で定められています。一方、領収書は受領の証明が目的で、金額・但し書き・受領方法が中心です。海外の非居住者クライアントは日本の仕入税額控除を受けないため、領収書に適格請求書の要件までは求められないのが通常です。適格請求書の考え方はインボイス制度対応の英語請求書で解説しています。
受領方法別の書き方
- 銀行振込:
Payment method: bank transfer (received on 2026-09-30). - クレジットカード:
Payment method: credit card. - オンライン決済:
Payment method: online payment (PayPal / Wise).
いつ、どの方法で受領したかを明記しておくと、相手の会計処理がスムーズになります。分割で受領した場合は、その回に受領した金額を記載し、残額がある旨を備考に添えると誤解がありません。
ツールで領収書を作る
BridgeInvoiceでは、書類の種類で「領収書(Receipt)」を選ぶだけで、英文・日英の領収書を作成できます。請求書や見積書と同じ取引先・品目を使い回せるため、入金後の発行がスムーズです。
まずは領収書モードで英文領収書を作成してみてください。請求書の書き方は英文請求書の書き方 完全ガイド、見積書は英文見積書の書き方と例文で解説しています。
よくある質問
Q. 請求書があれば領収書は不要ですか。 請求書は支払いを求める書類、領収書は受領を証明する書類で役割が異なります。相手が経費精算などで領収書を必要とする場合は、入金後に別途発行します。
Q. 英文領収書に印鑑は必要ですか。 海外の相手にとって印鑑は必須ではありません。会社名や署名で足りることが多く、必要に応じて角印を添えることもできます。
Q. 発行日は請求日と受領日のどちらにすべきですか。 領収書は受領の事実を証明する書類のため、実際に入金を受けた日(received date)を発行日とするのが基本です。請求書番号を併記しておくと、どの請求に対する受領かが明確になります。
まとめ
英文領収書は、受領した事実を証明する書類で、受領金額・但し書き・受領方法を明確にすることが大切です。紙で発行する場合は印紙税に注意し、5万円以上の受取書では収入印紙の要否を確認します。電子領収書の扱いも含め、判断に迷う場合は顧問税理士にご確認ください。