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誓約書とは(せいやくしょ)

最終確認日 2026年10月23日

まず、よくある答え

誓約書(せいやくしょ)は、一方が相手に対して守ることを約束する書面で、会社では入社時、秘密情報を扱うとき、退職時に従業員から受け取るのが一般的です。ただし違約金や損害賠償の金額をあらかじめ決める条項は労働基準法16条で禁じられ、範囲の広すぎる競業避止は無効とされることがあるため、書けば何でも効力が生じるわけではありません。

誓約書メーカー(入社時・秘密保持・退職時)

条項を選んで誓約書を作れます。金額の定めは入れず、競業避止は期間と範囲を入れたときだけ条項にします。

誓約書を作る

誓約書とは

誓約書は「誓約」する人が一人で署名し、相手にあてて出す書面です。双方が署名して権利と義務を定める契約書とは形が違い、一方が約束した事実を残すことに重点があります。

会社では、入社時に就業規則を守ることや経歴に偽りがないことを、秘密情報を扱う人には秘密を守ることを、退職時には資料を返したことや秘密を引き続き守ることを、それぞれ誓約してもらう例が多く見られます。

入社時に求められる理由

就業規則は職場の全員に適用されるルールですが、個人として守ることを書面で確認しておくと、入社時に何を説明したかが記録に残ります。秘密情報の扱いや会社の機器の使い方のように、トラブルになりやすい事項を一人ひとりに意識してもらう目的もあります。

厚生労働省のモデル就業規則は、採用時の提出書類として住民票記載事項証明書などを挙げていますが、誓約書は例示していません。誓約書を求めるかどうか、何を入れるかは会社が就業規則とあわせて決めます。

出典:厚生労働省 モデル就業規則(令和7年12月版)

法的な効力と限界

誓約した内容は、約束として一定の意味を持ち、違反があったときに会社が注意や処分を検討する根拠の一つになります。ただし法律に反する内容は、誓約書に書いても効力を持ちません。

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。栃木労働局の解説は、金額をあらかじめ決めることは禁止される一方、実際に生じた損害の賠償を請求することまでは禁じていないと説明しています。

退職後の競業避止は、守るべき会社の利益、従業員の地位、地域、期間、禁止する業務の範囲、代償措置などを見て有効性が判断されます。経済産業省の資料は、1年以内の期間は肯定的に捉えられた例が多く、近年は2年の期間に否定的な判例が見られるとしています。

出典:栃木労働局 労働基準法の解説 第16条(賠償予定の禁止)

書き方の基本

表題、あて先(会社名と御中)、誓約する内容を箇条書きにした本文、日付、住所と氏名の順に書くのが一般的です。日付は実際に署名して提出する日にし、後から日付をさかのぼらせないようにします。

署名は本人の自署が基本で、押印を求めるかどうかは会社の決まりによります。会社が文面を用意する場合も、署名の前に内容を説明し、本人が読んで納得してから署名してもらうと、後で内容を知らなかったという食い違いが起きにくくなります。

誓約書を作る従業員の秘密保持誓約書

契約書との違い

契約書は当事者の双方が署名し、互いの権利と義務を定めます。取引先と秘密情報を開示し合う場合は、双方が義務を負う秘密保持契約書(NDA)にするのが一般的です。

誓約書は一方が約束する形なので、会社の側が負う義務は書かれません。従業員との間で会社の義務も決めておきたい事項は、雇用契約書や就業規則で定めます。

秘密保持契約書(NDA)を作る

出典:経済産業省 秘密情報の保護ハンドブック 参考資料5(競業避止義務契約の有効性)

よくある勘違い

「誓約書に違約金100万円と書いておけば請求できる」

→ 労働基準法16条は、違約金や損害賠償額の予定を禁じています。実際に生じた損害の賠償を求めることまでは禁じられていません。

「退職後は同業に一切転職しないと誓約させれば有効」

→ 期間・地域・業務の範囲が広すぎたり代償措置がなかったりすると、無効とされることがあります(経済産業省 秘密情報の保護ハンドブック 参考資料5)。

よくある質問

誓約書の読み方は。

「せいやくしょ」と読みます。誓約は、固く約束するという意味です。

誓約書に印紙は要りますか。

従業員が会社に出す誓約書は、一般的には印紙税の課税文書に当たらず、印紙は不要です。

誓約書への署名を断るとどうなりますか。

内容によって扱いが変わり、一律の答えはありません。納得できない条項があれば、まず会社に説明を求め、必要なら労働局の総合労働相談コーナーなどに相談します。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。