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請求書に値引きを書く方法と消費税の計算

最終確認日 2026年10月15日

まず、よくある答え

値引きは「出精値引き △20,000円」のようにマイナスの行で示すか、最初から値引き後の単価で書きます。どちらの書き方でも、消費税は値引き後の金額にかかります。

値引きの2つの書き方

1つ目は、通常の単価で明細を書き、その下に値引きの行をマイナスで加える方法です。相手にどれだけ値引いたかが伝わるので、見積りから下げた経緯を示したいときに向いています。

2つ目は、値引いた後の単価や金額だけを明細に書く方法です。請求書がすっきりし、毎回同じ条件で取引する相手に使いやすい形です。

たとえば制作費120,000円から20,000円を値引く場合、マイナス行の方式では「制作費 120,000円」「値引き △20,000円」「小計 100,000円」と並べます。消費税10%は小計の100,000円にかかり、10,000円、合計110,000円です。

2つの書き方の比較
書き方明細の例向いている場面
マイナス行で示す制作費 120,000円/値引き △20,000円値引きの事実や理由を残したい
値引き後の金額で書く制作費 100,000円継続して同じ条件で取引している

値引き行を入れた請求書を作る

値引きのタイミングで扱いが変わる

国税庁のQ&A問70では、端数の値引き(いわゆる出精値引き)について、値引きがいつ決まったかで扱いを分けています。

これから行う取引の代金を下げる場合は、対価の額から直接差し引きます。インボイスには、値引き後の金額にかかる消費税額を書きます。

すでに行った取引について後から値引く場合は、売上げに係る対価の返還等として扱い、原則として返還インボイスを交付します。どちらに当たるか厳密に区分しにくいときは、いずれの処理でも差し支えないとされています。

出典:国税庁 インボイスQ&A 問70 端数値引きがある場合の適格請求書の記載

10%と8%の商品をまとめて値引くとき

標準税率と軽減税率の品目を一緒に売り、合計から一括で値引く場合は、値引額を税率ごとに分ける必要があります。分け方は、それぞれの品目の金額の比率による按分が基本です。

Q&A問70の記載例では、出精値引き40,120円を、10%対象1,980,000円と8%対象1,539,000円の比率で分け、22,574円と17,546円にしています。そのうえで、値引き後の税率ごとの金額から消費税額を計算し直しています。

10%の品目からだけ値引いた形にすることもできます。値引額または値引き後の金額が請求書で明らかになっていれば、税率ごとに合理的に区分されたものとして扱われます。

税率ごとの端数処理

出典:国税庁 インボイスQ&A 問70

後から値引くときの返還インボイス

返品や値引きで代金を返したり売掛金を減らしたりするときは、返還インボイス(適格返還請求書)の交付が必要です。記載する事項は次のとおりです。

出典:国税庁 インボイス制度の理解のために(令和8年4月)

1万円未満なら交付義務はない

値引き等の金額が税込1万円未満なら、返還インボイスを渡す義務は免除されます。判定は税率ごとではなく、値引きの対象となった請求や債権の単位で、減らした金額の合計で行います。

たとえば400,000円の請求に関して1個100円のリベートを200個分、合計20,000円支払う場合は、1個あたりが少額でも1万円以上になるため免除されません。

出典:国税庁 インボイスQ&A 問28 1万円未満の判定単位

請求書と返還インボイスを1枚で兼ねる

前月の売上げに対する値引きを当月の請求から差し引く場合、本来は当月分のインボイスと前月分の返還インボイスが必要です。両方の記載事項を満たしていれば、1枚の請求書にまとめて交付できます。

例として、当月の10%対象が税抜200,000円(消費税20,000円)、前月分の値引きが税込11,000円(うち消費税1,000円)なら、当月分と値引き分を分けて書き、差引のご請求額を209,000円とします。

当月の売上から前月の値引きを差し引いた金額と、それに基づく消費税額を税率ごとに書く方法も認められています。この方法を使う場合は、取引先ごとに継続して同じ書き方をすることが求められます。

出典:国税庁 インボイス制度の理解のために(令和8年4月)

よくある質問

値引き額が5,000円なら返還インボイスはいりませんか。

税込1万円未満なので交付義務は免除されます。判定の単位は、税率ごとの金額ではなく、値引きの対象になった請求や債権ごとの減額金額です。

マイナス行の消費税はどう書けばよいですか。

値引き行にそれぞれ税額を付けるのではなく、値引き後の税率ごとの合計を出し、その合計から消費税額を計算して書きます。

合計の端数を丸めるための値引きでも、税率の区分は必要ですか。

10%と8%が混ざる請求なら区分が必要です。金額の比率で按分するか、どちらか一方の税率から引いたことを明示します。

出典(確認日)

あわせて使える早見表・計算ツール(そろばんノート)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。