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覚書に印紙は必要?

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

覚書に印紙が要るのは、印紙税がかかる契約(請負、不動産の売買、継続的取引の基本契約など)の「重要な事項」を変えたり補ったりする場合です。原契約と同じ号の文書になり、たとえば請負代金を増やす覚書は増額分に応じた第2号文書、基本契約の期間を延ばす覚書は第7号文書(4,000円)になります。担当者の変更など重要な事項に当たらない覚書や、電子契約で結ぶ覚書には印紙は要りません。

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覚書が課税文書になる仕組み

印紙税法基本通達の第12条は、契約の成立だけでなく、変更や補充を証明する文書も契約書に含めています。そのうえで第17条は、原契約の重要な事項を変える文書は原契約と同じ号に当たるとし、重要な事項以外の変更は課税文書に当たらないとしています。補充(足りない事項を補う覚書)も第18条で同じ扱いです。

何が重要な事項かは、通達の別表第二に号ごとの一覧があります。国税庁の質疑応答事例は、一覧に載っている事項は例示で、それと密接に関連する事項や同じくらい大切な事項も含まれると説明しています。

出典:国税庁 印紙税法基本通達 第4節 契約書の取扱い(第12条・第17条・第18条)

号ごとの重要な事項

別表第二から、覚書でよく変わる号の重要な事項を抜き出すと次のとおりです。

印紙税法基本通達 別表第二(抜粋)
号主な契約重要な事項
第1号の1不動産の譲渡など目的物の内容、引渡方法・期日、契約金額、取扱数量、単価、支払方法・期日、割戻金、契約期間、停止条件・解除条件、損害賠償の方法
第2号請負(工事、制作、保守など)請負の内容、期日・期限、契約金額、取扱数量、単価、支払方法・期日、割戻金、契約期間、停止条件・解除条件、損害賠償の方法
第7号継続的取引の基本契約目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、損害賠償の方法、再販売価格など(施行令26条の事項)と、契約期間の延長

出典:国税庁 印紙税法基本通達 別表第2 重要な事項の一覧表

変更の内容ごとの例

工事請負契約の支払方法を変える覚書は、金額の記載がなくても第2号文書で、記載金額のないものとして200円です。請負代金を増やす覚書は、原契約が特定できれば増えた分だけが記載金額になり、減らす覚書は記載金額のないものとして扱われます。

国税庁の例では、2億円の個別契約を2千万円増額する覚書は記載金額2千万円の第2号文書で、建設工事の軽減税率なら1万円です。同じ契約を減額する覚書は200円になります。

継続的取引の基本契約の期間だけを延ばす覚書は第7号文書(4,000円)です。ただし延長が3か月以内で、更新の定めもない場合は第7号から外れます。

清掃や警備のように第2号と第7号の両方に当たる契約で、月額の料金や仕事の範囲を変え、記載金額が出ない覚書は第7号になります。期間が書かれていて増える合計額が計算できるときは、その金額で第2号として判断されることがあります。

出典:国税庁 質疑応答事例 印紙税「個別契約書の変更契約書と記載金額」

印紙が要らない覚書

重要な事項に当たらない事柄だけを変える覚書は、課税文書になりません。国税庁は、相手が反社会的勢力だったときに契約を解除できるとする条項を追加するだけの変更契約書は、解除条件の変更に当たらず課税されないとしています。

原契約がもともと課税文書でない種類の契約(準委任の業務委託、秘密保持契約、雇用契約など)なら、それを変える覚書にも一般的には印紙は要りません。ただし覚書の中で請負の代金や基本契約の取引条件を新しく決めると、覚書そのものが課税文書になることがあります。

電子契約で結ぶ覚書は、紙の文書ではないため印紙税がかかりません。PDFに電子署名をしてやり取りする場合も同じです。

出典:国税庁 質疑応答事例 印紙税「反社会的勢力排除条項を追加する変更契約書」

迷ったときの確かめ方

まず原契約がどの号に当たるかを確かめ、次に覚書で変える事項がその号の重要な事項に入るかを見ます。金額を変える場合は、原契約の名称と日付を覚書に書いて原契約を特定できるようにしておくと、増額分だけが記載金額になります。

最終的な判断は税務署が行います。金額が大きい場合や判断が分かれそうな場合は、作る前に所轄の税務署に確認すると安心です。

印紙税の計算業務委託契約書の収入印紙

よくある勘違い

「覚書は契約書ではないので、どんな内容でも印紙は要らない。」

→ 変更や補充を証明する文書も契約書に含まれます。原契約の重要な事項を変える覚書は、原契約と同じ号の課税文書です。

「金額を減らす覚書なら、印紙は要らない。」

→ 減額でも契約金額という重要な事項の変更なので課税文書に当たり、記載金額のないものとして第2号なら200円がかかります。

「期間を延ばすだけなら、どんな契約でも印紙は不要。」

→ 継続的取引の基本契約の期間を3か月を超えて延ばす覚書は、第7号文書として4,000円が必要です。

よくある質問

原契約に貼った印紙で、覚書の分もまかなえますか。

まかなえません。覚書は別の文書として、それ自体が課税文書に当たるかどうかで判断されます。

覚書を2通作ったら、2通とも印紙が要りますか。

当事者がそれぞれ署名して1通ずつ持つなら、どちらも課税文書として扱われ、通常はそれぞれに印紙が要ります。

印紙を貼り忘れた覚書は無効になりますか。

印紙がなくても覚書の効力自体は失われませんが、過怠税がかかることがあります。気づいたら税務署に申し出ます。

出典(確認日)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。