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労働保険の年度更新の書き方

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

年度更新では、前年度(令和7年4月〜令和8年3月)に払った賃金の総額から確定保険料を、今年度の見込みから概算保険料を計算し、一般拠出金とあわせて6月1日から7月10日までに申告・納付します。賃金総額は千円未満を切り捨て、料率を掛けて1円未満を切り捨て、昨年申告した概算保険料との差額を今年の第1期で精算します。

労働保険の年度更新 計算ツール

賃金総額と業種を入れると、確定・概算保険料、一般拠出金、延納の各期の額と、申告書の欄に書く数字を計算します。

年度更新を計算する

年度更新の流れ

労働保険料は、年度の初めに概算で納め、年度が終わってから実際の賃金で確定させる仕組みです。毎年6月1日から7月10日の間に、前年度の確定保険料と今年度の概算保険料をまとめて申告し、差額を精算します。これを年度更新と呼びます。

5月末ごろに労働局から申告書が届きます。事業の種類と料率、前年度に申告した概算保険料などはあらかじめ印字されているので、会社は賃金を集計して残りの欄を埋めます。

出典:厚生労働省 令和8年度の年度更新期間について

1. 賃金を集計する

まず前年度の4月から3月までに払った賃金を、労災保険の対象と雇用保険の対象に分けて集計します。労災保険はパートやアルバイトを含むすべての労働者、雇用保険は被保険者だけが対象なので、2つの額が違うのはふつうのことです。

賃金総額には、基本給、賞与、通勤手当、残業手当、休業手当などを含め、役員報酬、退職金、出張旅費、結婚祝金、労働基準法76条の休業補償などは入れません。3月分の賃金で4月以降に払ったものも、3月末までに額が確定していれば前年度に入れます。

出典:厚生労働省 手引き「労働保険対象賃金の範囲」

2. 確定保険料を計算する(⑧〜⑩)

⑧には、労災保険分と雇用保険分の算定基礎額を千円未満を切り捨てて千円単位で書きます。⑨の料率を掛け、1円未満を切り捨てた額が⑩の確定保険料です。確定分は前年度の料率で計算するので、雇用保険は令和7年度の料率(一般の事業なら1000分の14.5)を使います。

手引きの記入例では、労災の算定基礎額56,765千円に1000分の3を掛けて170,295円、雇用の54,151千円に1000分の14.5を掛けて785,189円、合計955,484円を⑩に書いています。労災と雇用の算定基礎額が同じ場合は、合計の料率を一度に掛けて端数を一度だけ切り捨てます。

一般拠出金は、労災保険の算定基礎額に1000分の0.02を掛けた額で、⑩(ヘ)に書きます。石綿による健康被害の救済に充てるもので、確定分だけを申告し、延納はできません。

出典:厚生労働省 労働保険 年度更新 申告書の書き方(継続事業用・令和8年度)

3. 概算保険料を計算する(⑫〜⑭)

⑫には今年度の賃金総額の見込額を書きます。見込額が前年度の確定賃金総額の50%以上200%以下に収まるときは、前年度の確定賃金総額をそのまま使います(徴収法施行規則24条)。料率は今年度のもので、令和8年度の雇用保険は一般の事業で1000分の13.5です。

⑭の概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険の一方だけなら20万円以上)、または労働保険事務組合に委託している場合は、⑰に3と書けば3回に分けて納付できます。3で割り切れない端数は第1期に加えます。

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第24条・第27条

4. 差額を精算して納付する(⑱〜㉒)

⑱の申告済概算保険料額(昨年申告した概算保険料)と⑩の確定保険料を比べ、確定のほうが多ければ⑳(ハ)の不足額を、少なければ⑳(イ)の充当額を書きます。不足額と一般拠出金は第1期に納め、充当額は今年度の概算保険料に充てるのが一般的です。

令和8年度の納期限は、第1期が7月10日、第2期が11月2日、第3期が令和9年2月1日です(口座振替は9月7日、11月16日、2月15日)。記入例では、概算901,333円を300,445円・300,444円・300,444円に分け、第1期は不足額26,918円と一般拠出金1,135円を加えた328,498円です。

自社の数字で計算する

出典:厚生労働省 労働保険 年度更新 申告書の書き方(継続事業用・令和8年度)

電子申請と提出先

申告書は、e-Govの電子申請、労働局・労働基準監督署の窓口、郵送、金融機関の窓口(納付と同時)で出せます。資本金等が1億円を超える法人などの特定法人は、電子申請が義務づけられています。申告書に印字されたアクセスコードを使うと、電子申請の画面に事業の情報が読み込まれます。

期限までに申告しないと、政府が保険料を決定し、追徴金がかかることがあります。賃金の集計に時間がかかる場合は、早めに労働局に相談します。

出典:厚生労働省 労働保険 年度更新 申告書の書き方(継続事業用・令和8年度)

よくある勘違い

「確定保険料も今年度の新しい料率で計算する。」

→ 確定保険料は前年度の賃金に対するものなので、前年度の料率を使います。令和8年度の申告では、雇用保険の確定分は令和7年度の料率、概算分は令和8年度の料率です。

「役員にも労働保険料がかかる。」

→ 代表者など労働者でない役員の報酬は賃金総額に入れません。兼務役員は、労働者としての賃金の部分だけを入れます。

「一般拠出金も3回に分けて払える。」

→ 一般拠出金は延納できず、第1期にまとめて納めます。概算の仕組みもなく、確定分だけを申告します。

よくある質問

年度の途中で従業員を雇い始めた会社も年度更新が必要ですか。

労働保険の保険関係が続いている限り、毎年の年度更新が必要です。成立した年度の概算は保険関係成立時に申告しているので、翌年の年度更新でその年度の確定分を精算します。

申告書の料率が業種と違う気がします。

メリット制で料率が上下している場合があります。事業の種類が実態と違うときは、労働基準監督署に相談します。

出典(確認日)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。