通勤災害の様式(16号の3・16号の5・16号の6)
最終確認日 2026年10月24日
通勤災害では、指定病院での治療に様式第16号の3、立て替えた治療費に第16号の5、休業に第16号の6、指定病院の変更に第16号の4を使います。業務災害の様式と比べて、通勤の種別(イ〜ホ)、就業開始や住居を離れた時刻、通常の通勤の経路と方法を書く欄が加わり、会社はそのうち通常の経路などを証明します。
労災の様式の書き方ヘルパー
業務災害か通勤災害か、何を請求するかを選ぶと、使う様式と欄ごとの記入メモができます。休業の請求では平均賃金も計算します。
記入メモを作る業務災害の様式との対応
給付の名前も少し違い、業務災害は「療養補償給付」「休業補償給付」、通勤災害は「療養給付」「休業給付」と呼びます。給付の内容はほぼ同じです。
| 請求 | 業務災害 | 通勤災害 |
|---|---|---|
| 指定病院での治療(療養の給付) | 様式第5号 | 様式第16号の3 |
| 指定病院の変更 | 様式第6号 | 様式第16号の4 |
| 立て替えた治療費(療養の費用) | 様式第7号(1)〜(5) | 様式第16号の5(1)〜(5) |
| 休業 | 様式第8号 | 様式第16号の6 |
通勤災害で加わる欄
様式第16号の3では、表面の⑲が「通勤災害に関する事項」になり、裏面に(イ)〜(ワ)の欄があります。(イ)災害時の通勤の種別は、イ 住居から就業の場所、ロ 就業の場所から住居、ハ 就業の場所から他の就業の場所、ニ イに先行する住居間の移動、ホ ロに後続する住居間の移動、から選びます。
(ホ)就業開始の予定時刻、(ヘ)住居を離れた時刻、(ト)就業終了の時刻、(チ)就業の場所を離れた時刻を書き、(リ)には通常の通勤の経路・方法・所要時間と、災害当日の経路を略図で示します。通常の経路は赤い線で書くよう様式に指示があります。
様式第16号の6では、裏面の㉟が通勤の種別、㊱〜㊷が場所・時刻・経路の欄です。会社は⑦⑲⑳と、㉜〜㉞、㊱〜㊷(経路と方法)、㊼などを証明します。
会社が証明するときの注意
会社が証明できるのは、会社が知り得る事実です。通常の通勤経路は通勤手当の届出などで確かめられますが、災害が起きた場所や時刻は本人の申告に頼ることが多くなります。様式の注意書きでは、事業主が知り得なかった欄は抹消して証明できるとされています。
通勤の途中で日用品の買い物など日常生活上必要な行為をしたあとに経路に戻った場合などは、通勤にあたるかどうかの判断が分かれます。判断は労働基準監督署が行うので、会社は事実をそのまま証明します。
一部負担金200円
通勤災害で療養給付を受ける人は、一部負担金として200円(日雇特例被保険者は100円)を負担し、最初の休業給付から差し引かれます。様式に記入する欄はありません。
第三者の行為による災害や、休業給付を受けない人などは一部負担金を払いません。交通事故など相手がいる通勤災害では、別に第三者行為災害届も出します。
自動車保険から治療費や休業の損害が支払われる場合は、労災保険の給付と重ならないよう調整されます。どちらを先に使うかは、保険会社と労働基準監督署に相談して決めます。
よくある勘違い
「通勤災害でも業務災害と同じ様式第5号・第8号を使う。」
→ 通勤災害には専用の様式第16号の3〜第16号の6があります。業務災害の様式で出すと出し直しになることがあります。
「通勤災害の最初の3日分も会社が補償しなければならない。」
→ 待期3日の補償を会社に義務づけている労働基準法76条は業務上の傷病が対象で、通勤災害には会社の補償義務はありません。
よくある質問
通勤経路の略図は手書きでよいですか。
構いません。地図アプリの画面を印刷して経路を書き込み、添付する方法もよく使われます。
通勤災害の請求書も会社を通して出すのですか。
療養給付の請求書は受診する指定病院を経由して、休業給付の請求書は本人か会社が労働基準監督署に直接出します。会社は証明欄を書いて本人に渡すのが一般的です。
自転車通勤の届出をしていない経路でけがをした場合は。
合理的な経路と方法であれば通勤にあたることがあります。届出と違う経路だったことも含めて事実を書き、判断は労働基準監督署に任せます。
出典(確認日)
- 厚生労働省 様式第16号の3(療養給付たる療養の給付請求書・通勤災害用)(2026-10-24)
- 厚生労働省 様式第16号の5(1)(療養給付たる療養の費用請求書・通勤災害用)(2026-10-24)
- 厚生労働省 様式第16号の6(休業給付支給請求書・通勤災害用)(2026-10-24)
- 厚生労働省 主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)(2026-10-24)
- 労働者災害補償保険法施行規則(e-Gov法令検索)第44条の2(2026-10-24)
- 厚生労働省「休業(補償)等給付・傷病(補償)等年金の請求手続」(2026-10-24)