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労災保険料とは

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

労災保険料は、仕事中や通勤中のけが・病気に備える労災保険の保険料で、全額を事業主が負担し、従業員の給与からは差し引きません。1年間に払った賃金の総額に業種ごとの労災保険率(令和8年度は1000分の2.5から1000分の88)を掛けて計算し、毎年の年度更新で雇用保険料とあわせて申告・納付します。

労災保険料率の一覧と計算

54業種の料率を番号や業種名で探し、賃金総額や請負金額から労災保険料を計算できます。

料率を調べる

誰が払うか

労災保険料は全額が事業主の負担です。労働基準法は、業務上のけがや病気について使用者に補償の責任を負わせており、労災保険はその責任を保険で肩代わりする仕組みとして始まったためです。給与明細の控除欄に労災保険料が出てこないのはこのためです。

雇用保険料は事業主と労働者の両方が負担し、労働者の分は給与から差し引きます。2つをあわせて労働保険料と呼び、年度更新では1枚の申告書でまとめて申告します。

出典:厚生労働省 労働保険料の負担

計算のしかた

労災保険料は、1年間に払った賃金の総額に労災保険率を掛けて出します。賃金総額は千円未満を切り捨て、料率は1000分のいくつという形で示されます。たとえば卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業(番号98)は1000分の3なので、賃金総額3,000万円なら年9万円です。

パートやアルバイトも労災保険の対象なので、その賃金も合計に入れます。雇用保険に入っていない短時間の人や学生アルバイトでも、労災保険の賃金総額には含めます。

業種を選んで計算する

料率の決まり方

労災保険率は、事業の種類ごとに、過去3年間の災害の発生状況や保険給付の額などをもとに厚生労働大臣が定め、おおむね3年ごとに見直されます。現在の料率は令和6年4月1日に改定されたもので、厚生労働省は令和8年度も変更がないとしています。

最も低いのは金融業・保険業又は不動産業などの1000分の2.5、最も高いのは金属鉱業などの1000分の88です。建設業は工事の種類で分かれ、建築事業は1000分の9.5、その他の建設事業は1000分の15です。

出典:厚生労働省 令和8年度の労災保険率について

建設業の労務費率

請負による建設の事業では、下請けの労働者の分も元請けがまとめて労災保険に入ります。下請けの賃金まで正確に集計するのは難しいため、請負金額に労務費率を掛けた額を賃金総額とみなせます。

たとえば建築事業の労務費率は23%なので、消費税を除いた請負金額1億円の工事なら賃金総額は2,300万円、労災保険料は2,300万円×1000分の9.5で218,500円です。

出典:厚生労働省 労務費率表

メリット制

一定の規模以上の事業では、過去3年間の保険給付の額と保険料の比率(収支率)に応じて、労災保険率が上下します。継続事業では、非業務災害率(1000分の0.6)を除いた部分を最大40%の範囲で増減させます。

対象になるのは、3年以上続いている事業で、労働者が100人以上か、20人以上100人未満で一定の条件を満たす場合です。災害が少なければ料率が下がり、多ければ上がるので、安全対策が保険料にも反映される仕組みです。

出典:厚生労働省 労災保険のメリット制について

よくある勘違い

「労災保険料は従業員の給与から天引きする。」

→ 労災保険料は全額事業主の負担で、給与から差し引くことはできません。天引きするのは雇用保険料の労働者負担分です。

「パートしかいない会社は労災保険料がかからない。」

→ 労災保険は労働者を1人でも使う事業に原則として適用され、パート・アルバイトの賃金も保険料の計算に入ります。

よくある質問

労災保険料は経費になりますか。

事業主が負担した労災保険料は、法人税や所得税の計算で損金・必要経費になります。

社長1人の会社でも労災保険料はかかりますか。

労働者がいなければ労災保険は適用されず、保険料もかかりません。中小事業主は特別加入の制度で任意に加入できます。

出典(確認日)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。