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年末調整の過不足の精算(還付と追徴)

最終確認日 2026年10月15日

まず、よくある答え

年調年税額より1年間に徴収した税額が多ければ、その差額(超過額)を12月の給与で本人に還付し、少なければ差額(不足額)を12月の給与から徴収します。還付した額は12月分として納める源泉所得税から差し引き、それでも還付しきれない分は翌月以降の納付額から差し引いて順に還付します(所得税法191条・192条)。

年末調整の納付書 計算ツール

還付・徴収した額を入れると、12月分の納付書の各欄と翌月に繰り越す超過額が分かります。

納付書を計算する

12月の給与での精算

精算の方法には、12月の給与の税額計算を省略してその月の徴収税額をないものとして精算する方法と、12月分も通常どおり税額を計算してから精算する方法があります。どちらでも、最終的に1年分の税額が年調年税額に一致します。

給与明細には、通常の源泉所得税の行とは別に「年末調整還付」「年末調整徴収」などの行を設け、差額を示すと本人に分かりやすくなります。

給与明細 作成ツール源泉徴収簿の年末調整の欄(⑦〜㉗)

出典:国税庁 令和8年分 年末調整のしかた

還付しきれないとき

超過額が12月分の納付額より多いときは、その月の本税を0円とし、残りは翌月以降に納める源泉所得税から差し引いて順に還付します。会社が立て替えて本人に先に払い、納付額との差し引きで回収する形です。

解散や廃業で給与の支払者でなくなった場合、納付する税額がなくなった場合、還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれない見込みの場合は、「年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」に源泉徴収簿の写しと委任状を添えて税務署に出し、税務署から還付を受けます。

納付書の計算と繰越

出典:国税庁 源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書

不足額の徴収と繰延べ

不足額は12月の給与から徴収し、引ききれないときは翌年の給与から順に徴収します。

12月に不足額を徴収すると、その月の手取りが1月から前月までの平均の手取り月額の70%未満になる人は、「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を税務署に出して承認を受ければ、不足額を翌年1月と2月に分けて徴収できます。

出典:e-Gov法令検索 所得税法(第190条〜第192条、第194条〜第198条)

過納額・不足額が生じる主な理由

年の途中で扶養親族が増えた、生命保険料や地震保険料の控除があった、住宅ローン控除があった、年の途中で入社したといった場合は過納額になりやすく、扶養親族が減った、賞与が多かった場合などは不足額になりやすい傾向があります。従業員から理由を聞かれたときの説明に使えます。

出典:国税庁 令和8年分 年末調整のしかた

計算の例

1年間に徴収した税額が156,670円で年調年税額が41,400円なら、差額115,270円が超過額で、12月の給与で本人に還付します。反対に、徴収した税額が30,000円で年調年税額が42,000円なら、差額12,000円が不足額で、12月の給与から徴収します。

よくある質問

退職した人に還付する場合は。

年の途中の退職者は原則として年末調整の対象外なので、本人が確定申告で精算します。12月の給与の後に退職した人は、会社が還付します。

還付金を翌年1月の給与で払ってもよいですか。

12月中に還付しきれない場合は翌年の納付額から差し引いて順に還付します。その場合は1月分の納付書の超過税額の欄に、1月に精算した額を書きます。

還付金に住民税は関係しますか。

年末調整は所得税の精算です。住民税は翌年6月からの特別徴収税額に反映されます。

還付金は現金で渡してもよいですか。

12月の給与に上乗せして振り込むのが一般的ですが、別に支払っても構いません。いずれの場合も、給与明細や源泉徴収簿に還付した額を記録しておきます。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。