副業で開業届を出すか迷ったら
最終確認日 2026年10月15日
開業届を出したかどうかで、副業の所得が事業所得になるかが決まるわけではありません。国税庁の通達は、社会通念上事業と呼べる規模かどうかで判定するとし、取引の帳簿書類を保存していない場合は、収入金額が300万円を超えて事業と認められる事実があるときを除き、業務に係る雑所得に当たるとしています。
事業所得か雑所得か
所得税基本通達35-2の注書きは、事業所得かどうかを「その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか」で判定するとしています。
同じ注書きの後半は、取引を記録した帳簿書類の保存がない場合、収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合を除いて、業務に係る雑所得に当たるとしています。
国税庁の解説資料では、帳簿書類を保存していれば、収入300万円超は概ね事業所得、300万円以下でも事業所得に区分される場合が多いとしつつ、収入が例年300万円以下で主な収入の10%未満のときや、例年赤字で解消の取組をしていないときは個別に判断するとしています。
開業届を出す意味
開業届は事業を始めたことを税務署に知らせる届出で、出しても雑所得と判定されることはありえます。逆に、帳簿をつけて事業として続けているなら、副業でも出すのが手続きの流れに沿っています。
青色申告をして青色申告特別控除を受けたいなら、事業所得や不動産所得があることが前提で、承認申請書の期限も守る必要があります。
会社に知られるか
開業届そのものが勤務先に通知される仕組みはありません。勤務先が気づくきっかけになりやすいのは住民税で、副業の所得が増えると給与から天引きされる住民税の額が変わります。
確定申告書には、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法を「特別徴収」か「自分で納付」から選ぶ欄があります。自分で納付を選んだ場合の扱いは市区町村が決めるため、お住まいの市区町村にも確認してください。
就業規則で副業が制限されていないかは、税金とは別に確認しておくことです。
失業保険を受けている間は
基本手当を受けている間に自営を始めると、ハローワークでは就職と同じ扱いになります。ハローワーク神戸は、自営の就職日を「事業開始日」と「事業準備に専念し始めた日」のいずれか早い日とし、開業届の提出日とは限らないと案内しています。
要件を満たせば、事業を始めた人も再就職手当の対象になる場合があります。開業届を出す前に、受給しているハローワークへ相談するのが確実です。
よくある質問
副業の収入が少なくても開業届を出してよいですか。
出すことはできます。ただし所得の区分は届出の有無ではなく、規模や継続性、帳簿の保存などの実態で判断されます。
雑所得なら青色申告はできますか。
青色申告ができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。
副業でも帳簿は必要ですか。
事業所得や不動産所得などがある人は、白色申告でも記帳と帳簿書類の保存が求められています。雑所得でも、前々年の収入が300万円を超える業務は取引の書類の保存が必要です。
出典(確認日)
- 国税庁 所得税基本通達 法第35条《雑所得》関係(35-2)(2026-10-15)
- 国税庁 雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説(令和4年10月)(2026-10-15)
- 国税庁 No.2070 青色申告制度(2026-10-15)
- 国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(2026-10-15)
- 国税庁 確定申告の手引き 手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する(2026-10-15)
- 兵庫労働局 ハローワーク神戸 失業保険受給中の方(2026-10-15)
- 国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(2026-10-15)