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個人事業主の帳簿の種類と付け方

最終確認日 2026年11月4日

まず、よくある答え

事業所得や不動産所得がある個人事業主は、青色申告でも白色申告でも帳簿を付けて保存します。青色申告で65万円・55万円の控除を受けるなら仕訳帳と総勘定元帳を使う複式簿記、10万円なら現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳の簡易簿記が目安です。帳簿は7年間保存し、各帳簿のExcelテンプレートは無料でダウンロードできます。

申告の種類ごとに必要な帳簿(令和8年分まで)

現金主義による所得計算の特例を選んでいる人は、10万円の控除だけになります。

控除額記帳の方法主な帳簿ほかの条件
65万円正規の簿記(一般的には複式簿記)仕訳帳・総勘定元帳と、必要な補助簿貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告し、e-Taxで送信するか、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存して届出書を出す
55万円正規の簿記(一般的には複式簿記)仕訳帳・総勘定元帳と、必要な補助簿貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告する(e-Taxや優良な電子帳簿は不要)
10万円簡易簿記現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳損益計算書を添付する。65万円・55万円の要件に当たらない青色申告者(期限後申告の人を含む)もこの区分
白色申告簡易な方法でも可収入と必要経費がわかる帳簿白色申告でも、事業所得・不動産所得・山林所得を生む業務を行う人は全員、帳簿を付けて保存します。日々の合計金額をまとめて書くなどの簡易な方法でかまいません。

出典:国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除

令和9年分からの青色申告特別控除

令和8年法律第12号で青色申告特別控除が改正され、令和9年分からの所得税から次の区分になります。令和9年分からは55万円の区分がなくなり、書面で申告すると正規の簿記でも10万円が上限です。

控除額条件
75万円65万円の要件に加え、仕訳帳・総勘定元帳を年の初めから優良な電子帳簿で保存するか、デジタルシームレス保存をして、届出書を出す
65万円正規の簿記で記帳し、期限内にe-Taxで送信する(優良な電子帳簿だけでは65万円にならない)
10万円書面で申告した場合の上限。簡易簿記で、前々年分の事業の収入金額が1,000万円を超える人は0円

出典:国税庁 優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存により75万円の青色申告特別控除を適用しましょう!(令和8年8月)

主要簿と補助簿

複式簿記の中心になる帳簿は仕訳帳と総勘定元帳で、所得税法施行規則は、すべての取引を借方と貸方に仕訳する帳簿と、勘定科目ごとに整理する帳簿を備えるよう定めています。

そのほかの帳簿は、取引の内容に合わせて付ける補助簿です。国税庁の青色申告の案内では、現金出納帳、当座預金出納帳、小口現金出納帳、売上帳、仕入帳、受取手形記入帳、商品有高帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳が補助簿として図に挙がっています。ただし、法令に補助簿の一覧があるわけではありません。

5つの簡易帳簿に、預金出納帳や受取手形記入帳などの「債権債務等記入帳」を加えてすべての取引を整然と記録すれば、正規の簿記として扱われます。

仕訳帳の書き方総勘定元帳の書き方現金出納帳の書き方補助簿(預金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳)固定資産台帳の書き方伝票の種類と書き方(入金・出金・振替)

出典:国税庁 はじめてみませんか?青色申告

帳簿と書類の保存期間

帳簿は閉鎖した日の属する年の翌年3月15日の翌日から、書類は作成または受け取った日の属する年の翌年3月15日の翌日から数えます。

消費税の仕入税額控除のために保存する請求書等と、交付した適格請求書の写しは、上の表にかかわらず7年保存します。

申告区分保存するもの期間
青色帳簿仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年
青色書類決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など)7年
青色書類現金預金取引等関係書類(領収書、小切手控、預金通帳、借用証など)(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の人は5年)7年
青色書類その他の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)5年
白色帳簿収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)7年
白色帳簿業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)5年
白色書類決算に関して作成した棚卸表その他の書類5年
白色書類業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類5年

出典:国税庁 事業所得や不動産所得等のある方には帳簿の記帳・保存義務があります!(令和8年8月)

Excelで付けるか、会計ソフトを使うか

取引が少ないうちは、このサイトのExcelテンプレートで現金出納帳や経費帳を付けることもできます。テンプレートは、記入例のシートと空欄の記入用シートの2枚組みで、残高と合計だけを式で計算します。

複式簿記で仕訳帳と総勘定元帳を付けるなら、仕訳を入力すると元帳と決算書まで作れる会計ソフトを使うと転記の手間が省けます。電子帳簿として保存する場合の要件や、控除額との関係は、使うソフトの案内もあわせて確かめてください。

個人事業主の会計ソフト青色申告決算書とは

付け方を相談したいとき

自分の帳簿の付け方は、税務署の記帳指導(外部委託による記帳指導)や記帳・決算等説明会、または税理士に相談できます。税務署の記帳・決算等説明会は、白色申告で記帳を始める人などに向けて無料で開かれています。

出典:国税庁 記帳・決算等説明会のご案内

よくある勘違い

「白色申告なら帳簿を付けなくてよい。」

→ 事業所得や不動産所得を生む業務を行う人は、白色申告でも帳簿を付けて保存します。日々の合計をまとめて書くなど、簡易な方法でかまいません。

「e-Taxで出さなくても、複式簿記なら65万円の控除を受けられる。」

→ 令和8年分までは優良な電子帳簿での保存でも65万円になりますが、令和9年分からからは期限内のe-Taxが必須になり、書面で申告すると10万円が上限です。

よくある質問

帳簿は何年保存すればよいですか。

青色申告の帳簿は7年、白色申告でも収入と必要経費を書いた帳簿は7年です。書類は種類によって5年と7年に分かれます。

簡易簿記と複式簿記はどう違いますか。

簡易簿記は現金出納帳や経費帳など、取引ごとに1つの帳簿に書く方法です。複式簿記はすべての取引を借方と貸方に分けて仕訳し、貸借対照表まで作ります。

帳簿はExcelで付けてもよいですか。

付ける方法に決まりはなく、手書きでもExcelでもかまいません。電子帳簿として保存して控除を受ける場合は、別の要件があります。

出典(確認日)

帳簿の付け方の一般的な説明で、個別の取引の判断はしていません。自分の帳簿については、税務署の記帳指導や記帳・決算等説明会、または税理士にご確認ください。