有給休暇とは(労働基準法39条のルール)
最終確認日 2026年10月24日
年次有給休暇(有給休暇)は、休んでも賃金が減らない休暇で、労働基準法39条が定めます。雇い入れの日から6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日を与え、その後1年ごとに増えて6年6か月で20日になります。取る日は労働者が決め、会社が日を変えられるのは、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合だけです。
有給休暇の付与日数 計算と早見表
入社日と週の所定労働日数から、付与日・日数・時効で消える日・年5日の期限を計算します。
日数を計算するもらえる条件
条件は、雇い入れの日から6か月の継続勤務と、その間の全労働日の8割以上の出勤の2つです(39条1項)。厚生労働省の資料は、この権利は条件を満たせば法律上当然に生じるもので、労働者の請求を待って初めて生じるものではないとしています。
継続勤務は在籍期間のことで、定年後に嘱託として再雇用した場合など、形の上で契約が変わっても実質的に続いていれば通算します。業務上のけがの休業、育児休業・介護休業、産前産後の休業の期間は、出勤したものとして出勤率を計算します(39条10項)。
日数の決まり方
通常の労働者は、6か月で10日、1年6か月で11日、2年6か月で12日、3年6か月で14日、4年6か月で16日、5年6か月で18日、6年6か月以上で20日です(39条2項)。
週の所定労働時間が30時間未満で、週4日以下(週で決まっていなければ年216日以下)の人は、日数が少ない比例付与になります(同条3項、施行規則24条の3)。たとえば週3日の人は6か月で5日です。パートでも条件を満たせば必ず与えます。
取る日を決めるのは労働者
会社は、労働者が請求した時季に有給休暇を与えなければなりません(39条5項本文)。労働者が日を指定すれば、それで休暇の日が決まる仕組みです。
取る理由を書かせることを求める条文は、労働基準法にありません。休暇の使い方は労働者に任されているという前提で、申請書に理由欄を設ける場合も、理由によって取らせないという運用はしないことになります。
会社が日を変えられるとき(時季変更権)
請求された日に休ませると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、会社は別の日に変えられます(39条5項ただし書)。厚生労働省のリーフレットは、同じ日に多くの労働者が休暇を指定した場合などを例に挙げ、単に業務多忙というだけでは認められないとしています。
変えられるのは日だけで、休暇そのものを与えないことはできません。退職日までの日に充てたいという申し出には、退職後に変える日がないため、時季変更権は使えないと厚生労働省は説明しています。
英語での呼び方
法務省の日本法令外国語訳データベースは、労働基準法39条の見出しを Annual Paid Leave と訳しています。英文の雇用契約書や就業規則でも annual paid leave と書くのが一般的で、paid holiday や PTO(paid time off)と呼ぶ会社もあります。
よくある勘違い
「有給休暇は会社が認めた日にだけ取れる。」
→ 取る日は労働者が決めます。会社ができるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に別の日に変えることだけです。
「パートやアルバイトには有給休暇がない。」
→ 6か月の継続勤務と8割の出勤の条件を満たせば、所定労働日数に応じた日数を与えます。
「有給休暇の申請には理由が必要だ。」
→ 理由を求める条文はありません。理由によって取らせないことはできないと考えられています。
よくある質問
入社して6か月たつ前に有給休暇を与えてもよいですか。
法律より早く与えることはできます。その場合の出勤率の数え方や翌年以降の付与日は、基準日をそろえる方法の解説で説明しています。
有給休暇の日の給与はいくら払いますか。
就業規則で、通常の賃金、平均賃金、標準報酬日額(労使協定が必要)のどれかに決めて払います。
出典(確認日)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第39条・第115条・第119条・第120条(2026-10-24)
- 労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)第24条の3〜第24条の7・附則第71条(2026-10-24)
- 厚生労働省 年次有給休暇制度の概要等(2026-10-24)
- 厚生労働省 リーフレット 労基法39条(年次有給休暇の付与日数)(2026-10-24)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 年次有給休暇(2026-10-24)
- 法務省 日本法令外国語訳データベース 労働基準法(2026-10-24)