有給休暇の年5日の取得義務
最終確認日 2026年10月24日
会社は、有給休暇を年10日以上与える労働者に、そのうち5日を、与えた日(基準日)から1年以内に取らせなければなりません(労働基準法39条7項)。労働者が自分で取った日や計画的付与の日は5日に数え、足りない分を会社が時季を指定して取らせます。取らせなかった場合は30万円以下の罰金の対象で(120条)、会社は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作って保存します。
有給休暇の付与日数 計算と早見表
入社日と週の所定労働日数から、付与日・日数・時効で消える日・年5日の期限を計算します。
日数を計算する対象になる人
対象は、その年に与える有給休暇が10日以上の労働者です。管理監督者や有期雇用の人も含まれます。比例付与のパートでも、週4日なら3年6か月、週3日なら5年6か月で10日以上になり、対象に入ります。
10日のうち前年からの繰越分は数えず、その年に新たに与える日数で判断します。
期限の数え方
期限は、10日以上を与えた日から1年以内です。4月1日入社で10月1日に10日を与えたなら、10月1日から翌年9月30日までに5日を取らせます。
法律の基準日より前に10日以上を前倒しで与えた場合は、その与えた日から1年以内です。前の付与から1年たたないうちに次の10日以上を与えて期間が重なるときは、前の期間の始まりから後の期間の終わりまでを通した月数を12で割って5を掛けた日数を、その期間に取らせる方法も認められています(施行規則24条の5)。
会社による時季指定の手順
会社が時季を指定するときは、あらかじめ5日を指定して取らせることを本人に伝え、取りたい時季について意見を聴きます。聴いた意見は尊重するよう努めます(施行規則24条の6)。
労働者が自分で取った日、計画的付与で取った日、会社が指定した日を合わせて5日になれば、それ以上の指定はしなくてよく、することもできません。半日単位で取った日は0.5日として数えますが、時間単位で取った分は5日に数えません(厚生労働省のわかりやすい解説)。
時季指定を行う会社は、その対象になる労働者の範囲と指定の方法を就業規則に書いておきます。休暇に関する事項は、就業規則に必ず書く事項だからです(労働基準法89条1号)。
5日取れなかったときの罰則
5日を取らせなかった会社は、30万円以下の罰金の対象です(労働基準法120条1号)。厚生労働省の解説は、罰則の違反は対象になる労働者1人につき1罪として取り扱われるとしています。
あわせて、労働者が請求した時季に与えなかった場合(39条の第7項以外の違反)は、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です(119条1号)。
年次有給休暇管理簿
会社は、労働者ごとに、有給休暇を取った時季(日付)、日数、基準日を書いた年次有給休暇管理簿を作ります。保存期間は、施行規則24条の7では与えた期間中とその満了後5年間ですが、附則71条で当分の間は3年間とされています。
管理簿は、労働者名簿や賃金台帳とまとめて作ることもできます(施行規則55条の2)。表計算で作るときは、そろばんノートのテンプレートも使えます。
よくある勘違い
「本人が取りたがらないなら、5日に満たなくても会社に責任はない。」
→ 5日を取らせる義務は会社にあります。足りない分は会社が時季を指定して取らせます。
「時間単位で取った有給休暇も5日に数えられる。」
→ 時間単位の分は数えません。半日単位で取った日は0.5日として数えます。
「管理簿は作れば保存しなくてよい。」
→ 期間中と満了後の保存が必要で、今は当分の間3年間です(施行規則24条の7、附則71条)。
よくある質問
年度の途中で入社した人の期限はいつですか。
その人に10日以上を与えた日から1年以内です。入社日ごとに期限が違うため、基準日をそろえる会社もあります。
会社が指定した日に本人が出勤してきたらどうなりますか。
その日は有給休暇を取ったことにはなりません。改めて指定し直すなどして、期限までに5日を取らせます。
出典(確認日)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第39条・第115条・第119条・第120条(2026-10-24)
- 労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)第24条の3〜第24条の7・附則第71条(2026-10-24)
- 厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(2026-10-24)
- 厚生労働省 年次有給休暇制度の概要等(2026-10-24)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 年次有給休暇(2026-10-24)