工事請負契約書の印紙はいくら
最終確認日 2026年10月22日
工事請負契約書は印紙税の第2号文書で、契約書に書かれた金額に応じて印紙税がかかります。令和9年3月31日までに作る建設工事の契約書で記載金額が100万円を超えるものは軽減税率が使え、たとえば税抜1,000万円を消費税額と分けて書けば5,000円、税込1,100万円だけを書くと10,000円です。電子契約なら印紙は要りません。
工事請負契約書 メーカー
請負代金と金額の書き方を選ぶと、契約書と一緒に印紙の金額と根拠を表示します。
印紙の金額を確かめる軽減税率の一覧
租税特別措置法91条により、建設工事の請負に関する契約書のうち記載金額が100万円を超え、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されるものは、本則より低い税率になっています。100万円以下の契約書は軽減の対象外で、本則の税額(1万円以上100万円以下は200円)です。
下の表は、このサイトの工事請負契約書メーカーと同じ計算で出した金額です。左から、消費税額を分けて書いた場合の軽減税率、同じ書き方で令和9年4月以後に作る場合の本則、税込の金額だけを書いた場合の軽減税率です。
| 税抜の請負代金 | 区分記載・軽減 | 区分記載・本則 | 税込だけ記載・軽減 |
|---|---|---|---|
| 990,000円 | 200円 | 200円 | 200円 |
| 1,500,000円 | 200円 | 400円 | 200円 |
| 3,000,000円 | 500円 | 1,000円 | 1,000円 |
| 5,000,000円 | 1,000円 | 2,000円 | 5,000円 |
| 10,000,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 50,000,000円 | 10,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
| 100,000,000円 | 30,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
税抜と税込、どちらで判定するか
国税庁は、消費税額等が区分記載されているとき、又は税込価格と税抜価格の両方が書かれていて消費税額等が明らかなときは、消費税額等を記載金額に含めないとしています。「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」や「請負金額1,100万円 税抜価格1,000万円」は1,000万円で判定します。
一方で「消費税額等10パーセントを含む」や「請負金額1,100万円(税込)」は消費税額が明らかとはいえず、1,100万円で判定します。免税事業者は、消費税額を分けて書いても、その金額を記載金額に含めます。契約書の金額欄は、税抜と消費税額を並べて書くのが印紙の面では有利です。
2通作るとき、写しを持つとき
注文者と請負者が1通ずつ持つために紙で2通作れば、2通とも課税文書になり、それぞれに印紙を貼って消印をします。印紙代を誰が負担するかは法律で決まっておらず、各自が持つ1通分をそれぞれ負担する形がよく見られます。
1通だけ作って一方が原本、もう一方がコピーを持つ方法もあります。国税庁は、正本を複写機でコピーしただけの写しは課税対象外とする一方、写しに契約当事者の双方(又は所持者以外の一方)が署名押印したものや、正本と相違ない旨を当事者が証明したものは課税対象としています。
電子契約なら印紙はいらない
印紙税は紙の文書に課される税で、電子契約サービスやPDFに電子署名をしてやり取りする契約は、課税文書の作成に当たらないとされています。工事請負契約は19条3項により相手方の承諾を得て電子で交わせるので、請負金額が大きい工事ほど電子化の効果が大きくなります。
ただし、電子で交わした契約書を紙に印刷して署名押印し、改めて交付すると、その紙は課税文書になります。どちらを原本にするかを最初に決めておきます。
注文請書との違い
注文書は注文者が作り、注文請書は請負者が作る文書です。国税庁は第2号文書の例として工事注文請書を挙げており、請負金額の書かれた注文請書には記載金額に応じた印紙が要ります。建設工事の注文請書も、建設工事の請負に関する契約書として軽減税率の対象です。
注文請書だけで契約を済ませる場合も、建設業法19条1項の事項を書面にそろえる必要は変わりません。注文書と請書のやりとりに基本契約書や約款を組み合わせると、両方の要件を満たしやすくなります。
よくある勘違い
「税込の金額で書いても、印紙は税抜で判定してくれる。」
→ 「税込」とだけ書くと消費税額が明らかではないとされ、税込の金額で判定します。
「軽減税率はずっと続く。」
→ 対象は令和9年3月31日までに作成される契約書です。延長されるかは、その時点の税制改正で決まります。
「印紙を貼り忘れても契約は無効になる。」
→ 契約の効力には影響しませんが、過怠税(原則として印紙税額とその2倍の合計)がかかります。
よくある質問
変更契約書にも印紙は要りますか。
変更前の契約書があることが明らかな場合、増額なら増加金額が記載金額になり、減額なら記載金額のない文書になります(国税庁 No.7123)。
請負金額が1万円未満の契約書はどうなりますか。
第2号文書は記載金額1万円未満なら非課税です。
印紙は誰が貼りますか。
課税文書を作成した者が納税義務者で、共同で作成した場合は連帯して納める義務があります。
出典(確認日)
- 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(2026-10-22)
- 国税庁 No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額(2026-10-22)
- 国税庁 No.7102 請負に関する契約書(2026-10-22)
- 国税庁 No.7120 契約書の写し、副本、謄本等(2026-10-22)
- 国税庁 No.7123 契約金額を変更する契約書の記載金額(2026-10-22)
- 国税庁 質疑応答事例 請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の課税関係(2026-10-22)
- e-Gov法令検索 印紙税法(2026-10-22)