株主総会議事録の書き方:記載事項と保存のルール
最終確認日 2026年10月15日
株主総会を開いたら、会社法318条により議事録を作り、総会の日から10年間本店に備え置きます。中身は会社法施行規則72条が決めていて、開催日時と場所、議事の経過の要領とその結果、出席した取締役・監査役などの氏名、議長の氏名、議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名を書きます。法律上、署名や押印は記載事項に入っていません。
議事録 メーカー(株主総会・取締役会・合同会社)
議案を選んで会社名や役員を入れると、記載事項の順に議事録を作り、決議の要件も確かめられます。PDFとWordで保存でき、株主リストも付けられます。
議事録を作る記載事項(施行規則72条3項)
- 株主総会が開催された日時と場所(その場所にいない役員や株主がオンラインなどで出席したときは、その出席の方法)
- 議事の経過の要領とその結果(議案ごとに、説明の要点と可決・否決)
- 会計参与や監査役などが法律にもとづいて述べた意見や発言があれば、その概要
- 出席した取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人の氏名又は名称
- 議長がいるときは、議長の氏名
- 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
誰が、いつ作るか
作成の義務を負うのは会社で、実際には議事録の作成に係る職務を行った取締役(通常は代表取締役)が作ります。作成期限の定めはありませんが、登記が必要な決議は申請に添付するため、総会の後すぐに作るのが一般的です。
書面でも電磁的記録(PDFなどのデータ)でも作れます。株主の数や発行済株式の総数、出席した株主の議決権の数は記載事項ではありませんが、決議の要件を満たしたことを示すために書いておくのが通例です。
保存と閲覧
議事録は総会の日から10年間本店に備え置き、支店がある会社は写しを5年間支店にも置きます。議事録を電磁的記録で作り、支店でも閲覧に応じられる措置をとっていれば、支店の写しは要りません。
株主と会社の債権者は、営業時間内いつでも閲覧や謄写を請求できます。保存の期間を過ぎるまでは、原本かデータを確実に残しておきます。
出典:e-Gov法令検索 会社法(第296条〜第300条、第309条、第318条、第319条、第341条、第361条、第369条〜第371条、第590条、第591条、第599条、第637条)
1人会社は書面決議が普通
株主が1人だけの会社や、株主全員が同意できる会社は、実際に集まらずに、提案に株主全員が書面やメールで同意すれば決議があったものとみなされます(会社法319条)。この場合の議事録には開催場所はなく、みなされた事項の内容、提案者、みなされた日、作成に係る職務を行った取締役を書きます。
同意した書面やデータも10年間本店に備え置きます。
出典:e-Gov法令検索 会社法(第296条〜第300条、第309条、第318条、第319条、第341条、第361条、第369条〜第371条、第590条、第591条、第599条、第637条)
登記に使うとき
役員の変更や本店移転など株主総会の決議を要する登記には、議事録のほか、議決権の多い順に10名か合計が3分の2に達するまでの少ない人数の株主を載せた株主リストを添付します(商業登記規則61条3項)。代表取締役の選定を証する議事録には印鑑証明書が必要になる場合があります。
よくある質問
議事録のひな形に決まった様式はありますか。
議事録の様式は法令で定められていません。施行規則72条の記載事項がそろっていれば、書き方や順番は会社ごとに決められます。
議事録を作らないとどうなりますか。
作成や備え置きを怠ると、取締役などが過料の対象になることがあります(会社法976条)。登記の申請もできなくなります。
総会の録音を残せば議事録はいりませんか。
録音は議事録の代わりになりません。録音を参考にして、記載事項をそろえた議事録を作ります。