適格請求書(インボイス)の記載事項と書き方
最終確認日 2026年10月15日
インボイスには6つの事項が必要です。様式の決まりはなく、手書きでも、請求書と納品書を組み合わせても、全部がそろっていればインボイスになります。
インボイスに必要な6つの記載事項
国税庁の資料では、適格請求書の記載事項は次の6つです。従来の区分記載請求書と比べると、登録番号、税率、税率ごとの消費税額が増えています。
| 番号 | 記載事項 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 発行する事業者の氏名又は名称と登録番号 | 株式会社サンプル 登録番号 T1234567890123 |
| 2 | 取引年月日 | 2026年10月15日、または「10月分」 |
| 3 | 取引の内容(軽減税率の対象なら、その旨) | ウェブ制作費、コーヒー豆*(*は軽減税率対象) |
| 4 | 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)と適用税率 | 10%対象 100,000円、8%対象 20,000円 |
| 5 | 税率ごとに区分した消費税額等 | 消費税 10,000円(10%)、1,600円(8%) |
| 6 | 受け取る事業者の氏名又は名称 | 〇〇株式会社 御中 |
消費税の端数処理は1枚につき税率ごとに1回
税率ごとの消費税額に1円未満の端数が出たら、1枚のインボイスにつき、税率ごとに1回だけ端数処理をします。
切り上げ、切り捨て、四捨五入のどれを使うかは事業者が決められます。ただし、明細の1行ごとに消費税を計算して端数処理し、それを合計する方法は、記載事項としての消費税額の計算方法としては認められていません。
たとえば10%対象の合計が税抜12,345円なら、消費税は1,234.5円となり、切り捨てなら1,234円、四捨五入なら1,235円です。この計算を明細ごとではなく合計で1回行います。
簡易インボイス(適格簡易請求書)
小売業、飲食店業、タクシー業など、不特定多数の人に販売する事業では、インボイスの代わりに簡易インボイスを渡せます。レシートの形で発行されるのが一般的です。
簡易インボイスでは、6番目の「受け取る事業者の名称」を省略できます。また、5番目は「税率ごとの消費税額等」と「適用税率」のどちらか一方を書けばよく、両方書いてもかまいません。
宛名のないレシートでも、登録番号や税率ごとの金額がそろっていれば、受け取った事業者は仕入税額控除の書類として保存できます。
書くときの実務のポイント
様式は法令で決められていないため、今使っている請求書に足りない項目を加えれば対応できます。請求書の名前が「請求書」でも「納品書」でもかまいません。
1枚で全部を満たす必要もありません。請求書に登録番号と消費税額を書き、明細は納品書に書くなど、関連がはっきりした複数の書類全体でそろっていれば認められます。
取引年月日は、月まとめの請求なら「10月分」のように期間で書くことができます。軽減税率の対象品目には「*」などの記号を付け、記号の意味を欄外に示す書き方が一般的です。
登録番号の数字は半角でも全角でもかまいません。番号の誤記はインボイスとして扱われない原因になるため、テンプレートに固定で入れておくと安心です。
間違えたときと値引きのとき
渡したインボイスに誤りがあったときは、修正したインボイスを交付します。一般的には、全体を作り直す方法と、誤りの部分だけを示した書類を渡す方法があります。
返品や値引きで代金を返すときは、返還インボイス(適格返還請求書)を交付します。返還する金額が税込1万円未満なら、交付の義務はありません。
交付したインボイスの写しは保存が必要です。紙のコピーに限らず、記載事項が確認できる控えやデータでもかまいません。
よくある質問
税込みの金額だけを書いてもインボイスになりますか。
対価の額は税抜き・税込みのどちらで書いてもかまいません。ただし税率ごとの合計額と税率、税率ごとの消費税額等は必要です。
手書きの領収書でもインボイスになりますか。
様式の定めはないため、6つの事項(簡易インボイスなら5つ)がそろっていれば手書きでもなります。
宛名を「上様」にした領収書は使えますか。
簡易インボイスを交付できる業種なら、受け取る側の名称は省略できます。それ以外の業種では、相手の名称が必要です。
出典(確認日)
- 国税庁 インボイス制度の理解のために(令和8年4月)(2026-10-15)
- 国税庁 No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)(2026-10-15)
- 国税庁 Q&A 問18 登録番号の構成(表記は半角・全角を問わない)(2026-10-15)