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取適法(中小受託取引適正化法)とは:下請法の改正点と委託事業者の義務

最終確認日 2026年11月3日

まず、よくある答え

取適法は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)を改正して2026年1月1日に施行された法律で、正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、略称は中小受託取引適正化法です。発注する会社(委託事業者)が、規模の小さい取引先(中小受託事業者)に製造や修理、情報成果物の作成、役務の提供、運送を委託するときの義務と禁止事項を定めています。改正で、手形払いの禁止、協議に応じない一方的な代金決定の禁止、従業員数による対象の判定、運送の委託の追加などが加わりました。

取適法の対象判定(無料)

取引の種類と、両社の資本金・従業員数を入れると、取適法の対象になるか、どちらの基準で対象になるかを表示します。入力は送信されません。

対象か判定する

法律の名前と用語の変更

改正法は2026年1月1日から施行され、法律の題名も変わりました。公正取引委員会は、略称を「中小受託取引適正化法」、通称を「取適法」としています。施行日より前にした発注には、新しい明示のルールなどは適用されず、改正前の下請法の例によります。

用語も改められ、親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者、下請代金は製造委託等代金になりました。下請法で「3条書面」と呼ばれていた発注書面は「4条明示」、「5条書類」は「7条記録」に名前が変わっています。

出典:公正取引委員会 取適法施行に当たり事業者の皆様に御留意いただきたい事項 (2)

対象になる取引と事業者

対象になるのは、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託と、改正で加わった特定運送委託です。発注する側は法人に限られ、個人事業主が発注する取引は対象になりません。

どの組み合わせが対象かは、まず両社の資本金で判定します。製造や修理などは委託する側が3億円超か1,000万円超、それ以外の情報成果物・役務は5,000万円超か1,000万円超が目安です。資本金で対象にならないときは、新しく加わった従業員数の基準(300人または100人)で判定します。

取適法の対象になる取引と事業者

出典:e-Gov法令検索 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 2条

委託事業者の4つの義務

取適法(下請法)の支払期日取適法の明示事項(旧3条書面)

出典:e-Gov法令検索 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 3条・4条・6条・7条

委託事業者の禁止事項

5条は、委託事業者がしてはならない行為を挙げています。中小受託事業者が了承していても、次の行為は違反になります。

出典:e-Gov法令検索 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法) 5条

改正で変わった点

公正取引委員会の改正法概要は、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、手形払いなどの禁止、運送の委託の追加、従業員基準の追加、面的執行の強化を主な改正点として挙げています。面的執行とは、事業を所管する省庁も指導や助言ができるようにし、関係機関が情報を共有する仕組みのことです。

このほか、発注内容の明示を相手の承諾なしに電子メールなどで行えるようになり、代金を減額した場合にも遅延利息がかかるようになりました。振込手数料を中小受託事業者に負担させて代金から差し引くことも、合意の有無にかかわらず違反になると公正取引委員会は説明しています。

出典:公正取引委員会 改正法概要

フリーランス新法との関係

従業員を使わない個人などに業務を委託するときは、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法もかかります。取引によっては両方の法律が同時に適用されます。両方の法律に違反する行為には、原則としてフリーランス・事業者間取引適正化等法を優先して適用し、同じ行為に重ねて取適法の勧告はしないとされています。ただし、取適法だけに違反する行為もあわせて行っている場合などは、全体に取適法を適用することがあります。

フリーランス新法とは

出典:公正取引委員会 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律と独占禁止法及び取適法との適用関係等の考え方(令和8年1月1日改正) 3

相談するときの窓口

取引が取適法の対象になるか、個別の行為が違反になるかは、公正取引委員会の取適法の相談窓口や中小企業庁の取引かけこみ寺(全都道府県の無料相談窓口)、弁護士に確かめてください。

よくある勘違い

「取適法になっても、発注書の書き方は下請法のときと同じでよい。」

→ 明示すべき事項が見直され、手形払いの欄はなくなりました。一括決済方式や電子記録債権を使うときの記載事項など、新しい規則にそって見直す必要があります。

「取引先が手形での支払いに同意していれば、手形で払ってもよい。」

→ 取適法の対象取引では手形払いそのものが禁止されています。相手の同意があっても違反になります。

よくある質問

取適法はいつから適用されますか。

2026年1月1日以後に発注した取引に適用されます。それより前の発注には、改正前の下請法の例によります。

取適法と下請法は別の法律ですか。

下請法を改正して題名を変えたもので、同じ法律です。公正取引委員会は略称を中小受託取引適正化法、通称を取適法としています。

うちの取引が対象かどうか、どう確かめればよいですか。

取引の種類と、両社の資本金と常時使用する従業員数で決まります。このサイトの対象判定ツールで目安を確かめられます。

出典(確認日)

取適法とフリーランス新法の一般的な説明で、個別の取引が対象になるか、違反になるかは判断していません。相談は公正取引委員会の取適法の相談窓口、中小企業庁の取引かけこみ寺、または弁護士にご確認ください。