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フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)とは

最終確認日 2026年11月3日

まず、よくある答え

フリーランス新法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、2024年11月1日に施行されました。従業員を使わない個人や一人社長の法人(特定受託事業者)に業務を委託するとき、発注する側は規模にかかわらず取引条件を明示しなければならず、従業員を使う発注者には60日以内の支払期日や禁止行為などの義務も加わります。

支払期日の計算(取適法・フリーランス新法)

受領日から60日目と、取適法の締め期間の上限を計算します。入力は送信されません。

支払期日を計算する

対象になる発注者と受注者

週の所定労働時間が20時間以上で、継続して31日以上雇用されることが見込まれる労働者を雇っていることを、従業員を使用していると扱います。

出典:e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 2条

発注者ごとの義務

義務負う発注者条件
取引条件の明示(3条)業務委託事業者(すべて)業務を委託したら直ちに
60日以内の支払期日(4条)特定業務委託事業者再委託の場合は元の支払期日から30日以内とする例外あり
禁止行為(5条)特定業務委託事業者1か月以上の業務委託(更新で1か月以上になるものを含む)
募集情報の的確な表示(12条)特定業務委託事業者広告などで募集するとき
育児・介護との両立への配慮(13条)特定業務委託事業者6か月以上の継続的な委託では義務、それ以外は努力義務
ハラスメント対策の体制整備(14条)特定業務委託事業者すべての業務委託
中途解除・不更新の30日前予告(16条)特定業務委託事業者6か月以上の継続的な委託

出典:e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 3条〜16条

取引条件の明示

発注者は、業務の内容、報酬の額、支払期日、受け取る期日と場所などを、書面か電子メールなどで示します。従業員のいないフリーランス同士の発注でも必要で、ここが取適法との大きな違いです。メールやチャットで示した後に書面を求められたら、原則として書面を渡します。

フリーランスと結ぶ業務委託契約書業務委託契約書の作成(明示事項のチェックつき)

出典:e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 3条

支払期日

特定業務委託事業者は、成果物を受け取った日(役務は提供を受けた日)から数えて60日以内のできる限り短い期間で支払期日を定めます。元の発注者から受けた仕事を再委託した場合で、再委託であることなどを明示していれば、元の支払期日から30日以内とすることができます。

取適法の支払期日(数え方の詳細)

出典:e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 4条

1か月以上の委託で禁止される行為

受領拒否、報酬の減額、返品、相場に比べて著しく低い報酬の決定(買いたたき)、物の購入やサービスの利用の強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更ややり直しが禁止されます。役務の委託では、受領拒否と返品は対象から除かれます。

出典:e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令 1条

働く環境についての義務

出典:厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

取適法との関係

資本金1,000万円を超える会社が従業員のいない個人にデザインや部品の製造を頼むときのように、一つの取引に両方の法律がかかることがあります。公正取引委員会の考え方では、両方に違反する行為には原則としてフリーランス新法を先に適用し、同じ行為に重ねて取適法の勧告はしません。取適法だけに違反する行為も行っている場合などは、全体を取適法で扱うこともあるとしています。

それぞれの法律の義務は別々にかかるため、取適法の対象でもある取引では、取適法の明示や記録、手形払いの禁止なども守る必要があります。

取適法(下請法改正)とは取適法の対象判定

出典:公正取引委員会 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律と独占禁止法及び取適法との適用関係等の考え方(令和8年1月1日改正) 3

トラブルの相談先

フリーランスとして発注者とのトラブルを抱えたときは、厚生労働省のフリーランス・トラブル110番で弁護士に無料で相談できます。発注する側が自社の対応を確かめたいときは、公正取引委員会や都道府県労働局に問い合わせられます。

出典:厚生労働省 フリーランス・トラブル110番

よくある勘違い

「フリーランス新法は、大企業がフリーランスに発注するときだけの法律だ。」

→ 取引条件の明示は、発注者の規模にかかわらず必要です。従業員のいないフリーランスが別のフリーランスに発注する場合も対象です。

「取適法の対象になる取引なら、フリーランス新法は関係ない。」

→ 両方の法律が同時にかかることがあります。両方に違反する行為には原則としてフリーランス新法が優先して適用されますが、それぞれの義務は別々に守る必要があります。

よくある質問

従業員がいるかどうかは、どう判断しますか。

週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用が見込まれる人を雇っていれば、従業員を使用していると扱われます。

フリーランス新法でも手形払いは禁止ですか。

フリーランス新法だけが適用される取引では禁止されていませんが、公正取引委員会は望ましくないとしています。取適法の対象でもある取引では、手形払いは禁止です。

契約期間が3週間の仕事にも禁止行為の規定はかかりますか。

禁止行為の規定は、1か月以上の業務委託(更新で1か月以上になるものを含む)にかかります。取引条件の明示は期間にかかわらず必要です。

出典(確認日)

取適法とフリーランス新法の一般的な説明で、個別の取引が対象になるか、違反になるかは判断していません。相談は公正取引委員会の取適法の相談窓口、中小企業庁の取引かけこみ寺、または弁護士にご確認ください。