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産業医面談とは

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

産業医面談という言葉は法律にはなく、法律が会社に義務づけているのは医師による面接指導です。時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者が申し出たときと、ストレスチェックで高ストレスとされた労働者が申し出たときに、会社は医師の面接指導を行います(労働安全衛生法66条の8、66条の10)。会社に伝わるのは、医師が就業上の措置について述べる意見が中心です。

従業員数で決まる会社の義務一覧

事業場の人数と業種から、産業医・衛生管理者・衛生委員会などの義務と届出、あと何人で増える義務を一覧にします。

人数で確かめる

長時間労働者の面接指導

対象は、休憩時間を除き1週間あたり40時間を超えて働いた時間が1か月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者です(規則52条の2第1項)。会社は毎月1回以上、一定の期日を定めてこの時間を算定し、80時間を超えた本人に、その時間を速やかに知らせます(同条2項・3項)。

面接指導は本人の申出によって行い、会社は申出があれば遅滞なく実施します(規則52条の3)。産業医は、対象の労働者に申出をするよう勧めることができます。研究開発の業務に就く人は月100時間を超えると申出がなくても面接指導の対象です(法66条の8の2)。

出典:労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)第7条〜第15条の2・第22条・第23条・第52条の2〜第52条の7

ストレスチェック後の面接指導

ストレスチェックの結果、医師などが面接指導が必要と認めた労働者が申し出たときは、会社は医師による面接指導を行います(法66条の10第3項)。ストレスチェックの結果そのものは、本人の同意がなければ会社に提供されません(同条2項)。

医師などが面接指導を必要と認めても、面接指導を受けるかどうかは本人の申出しだいです。会社は、面接指導の結果の記録を作って5年間保存し、医師の意見を聴いて必要な措置を講じます。

ストレスチェックの実施の流れ

出典:厚生労働省 心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針

面接で話すこと

医師は、面接指導で、その人の勤務の状況、疲労の蓄積の状況、そのほかの心身の状況を確かめ、必要な指導をします(規則52条の4)。会社は産業医に、月80時間を超えた人の氏名と時間を伝えることになっているため、医師は働いた時間を踏まえて話を聞けます。

面接は治療の場ではなく、働き方について医師の意見を聞く場です。体調について心配なことがあれば、面接の中で率直に話すことで、医師が会社に伝える就業上の意見に反映されます。

出典:労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)第7条〜第15条の2・第22条・第23条・第52条の2〜第52条の7

会社に伝わることと、伝わらないこと

会社は、面接指導の結果に基づき、医師から、労働者の健康を保持するために必要な措置について意見を聴きます(法66条の8第4項)。そのうえで、必要なら就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講じ、衛生委員会に報告します(同条5項)。面接指導の結果の記録は5年間保存します(規則52条の6)。

ストレスチェックの面接指導について、指針は、医師から会社に提供する情報は就業上の措置に必要な範囲に限り、診断名や検査値などの生のデータは提供しないとしています。健康情報の取扱いについては、事業場ごとに取扱規程を定め、労使で共有することが必要とされています。

出典:厚生労働省 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針

面接を理由とした不利益な取扱い

ストレスチェックの面接指導は、申出をしたことを理由に不利益な取扱いをしてはならないと法律に書かれています(法66条の10第3項)。指針は、面接指導の結果を理由とした解雇、期間を定めて雇う人の契約を更新しないこと、退職勧奨、不当な動機や目的による配置転換や役職の変更を、してはならない行為として挙げています。

長時間労働者の面接指導については、法律と規則に同じ形の不利益取扱い禁止の条文は見当たりません。ただ、面接指導は会社の義務で、医師の意見を聴いて必要な措置を講じることが求められています。面談のあとに解雇や不当な配置転換などがあり、困ったときは、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。

出典:厚生労働省 心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針

よくある勘違い

「産業医面談を受けると、話した内容がすべて会社に伝わる。」

→ 会社が聴くのは就業上の措置についての医師の意見です。ストレスチェックの面接指導では、診断名などは会社に提供しないと指針に書かれています。

「面接指導を受けたら、それを理由に解雇されても仕方がない。」

→ ストレスチェックの面接指導は、申出や結果を理由とした解雇などの不利益な取扱いが禁じられています。

「残業が月80時間を超えたら、全員が自動的に面接を受ける。」

→ 一般の労働者は本人の申出によって行います。会社は対象の本人に労働時間を知らせ、産業医は申出を勧めることができます。

よくある質問

面接指導を受けたことは同僚に知られますか。

健康情報は、事業場の取扱規程に従い、必要な範囲の人だけが扱います。取扱いの決まりは、衛生委員会などで話し合って定めます。

50人未満の会社で面接指導を受けるには。

地域産業保健センターで、医師による面接指導を無料で受けられます。

出典(確認日)

労働安全衛生法の一般的な情報です。健康についての助言や、個別の選任・届出の判断はしていません。50人未満の事業場は地域産業保健センター(無料)、実際の届出は労働基準監督署、手続きの相談は社会保険労務士にご確認ください。