ストレスチェックの実施方法(会社の側)
最終確認日 2026年10月24日
ストレスチェックは、年1回、医師や保健師などの実施者が、仕事のストレスの原因、心身の自覚症状、周りからの支援の3つの領域の調査票で行います。結果は実施者から本人に直接通知され、本人の同意がなければ会社は見られません。高ストレスで面接指導が必要とされた人が申し出たら、会社は医師の面接指導を行い、その意見を聴いて必要な措置をとります。
ストレスチェック実施規程の作成
人数と実施者、時期、保存先を選ぶと、厚生労働省の規程例にそった実施規程をWordとPDFで作ります。
規程を作る実施の流れ
流れは、方針の表明と社内ルールの作成、実施体制の決定、調査票の配布と回収、実施者による評価と本人への結果通知、面接指導の申出の受付と実施、医師の意見を聴いた就業上の措置、集団ごとの集計・分析と職場環境の改善の順です。
1年以内ごとに1回、定期に行います(労働安全衛生規則52条の9)。集団分析の単位で同時期に行うと比べやすく、健康診断と一緒に行うかは、健診の時期がそろっているかで考えます。
実施者と、事務に関われない人
実施者になれるのは、医師、保健師、厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師です(同規則52条の10第1項)。
社員の解雇、昇進、異動について直接の権限を持つ人は、調査票の回収やデータ入力などの実施の事務に従事できません(同条第2項)。社長や人事の決裁者が結果に触れない体制を作ります。
調査票の項目と高ストレス者
調査票は、職場の心理的な負担の原因、心身の自覚症状、職場の他の人からの支援の3つの領域を含むものです(同規則52条の9)。厚生労働省は職業性ストレス簡易調査票(57項目)と、その簡略版(23項目)を推奨しています。このサイトでは質問の中身は扱いません。
高ストレス者は、実施者がマニュアルの評価基準などにもとづいて選び、面接指導が必要と認めた人です(同規則52条の15)。会社が独自に点数を見て決めるものではありません。
結果の通知と面接指導
結果は実施者から本人に遅滞なく通知され、会社への提供には本人の書面又は電磁的記録による同意が要ります(同規則52条の12・52条の13)。同意を得て受け取った結果は、会社が記録を作って5年間保存します。
面接指導が必要とされた人から申出があったら、会社は遅滞なく医師の面接指導を行い(52条の16)、その結果の記録を5年間保存し(52条の18)、医師の意見を聴いて、勤務場所の変更や労働時間の短縮などの措置を検討します(労働安全衛生法66条の10第5項・第6項)。申出をしたことを理由とする不利益な取扱いは禁止です(同条第3項)。
集団分析と2027年4月の改正
実施者に部署などの集団ごとに結果を集計・分析させ、職場環境の改善に生かすことは、事業場の規模にかかわらず努力義務です(同規則52条の14)。
2027年4月1日からは、この集計・分析を「特定の個人を識別することができない方法で」行うことが規則に書き込まれます(令和8年厚生労働省令第112号)。厚生労働省の通達は、これまでの解釈を明文化したもので、運用は変わらないとしています。
受けない社員と、費用の考え方
社員に受検の義務はありません。厚生労働省の規程例は、全員が受けることが望ましいことを周知し、受けていない社員に勧奨する形です。受けないことを理由に不利益に扱うことはできません。
費用は、委託先の料金と面接指導の費用で決まります。小規模事業場マニュアルは、実施者と事務の体制、システム、データの保管など実施に欠かせない費用は受託料金に含まれているのが標準とし、集団分析や相談窓口がオプションかどうかを事前説明書で確かめるよう勧めています。50人未満の事業場は、地域産業保健センターで医師の面接指導を無料で受けられます。
当サイトでは調査票の配布や採点はしておらず、誰かの結果を受け取ることもありません。個人での確認には、こころの耳の5分でできるセルフチェックがあります。
よくある勘違い
「会社は社員全員の結果を見られる。」
→ 本人の同意がなければ、会社は個人の結果を受け取れません(労働安全衛生法66条の10第2項)。
「高ストレス者は、会社が点数を見て決める。」
→ 実施者が評価基準にもとづいて選び、面接指導が必要かを判断します。
「集団分析は、人数の少ない部署でもそのまま出してよい。」
→ 特定の個人が分からない方法で行います。2027年4月からは規則にも明記されます。
よくある質問
面接指導の結果で、異動や解雇をしてもよいですか。
医師の意見を聴かずに不利益な取扱いをすることや、面接指導の結果を理由に解雇することは、厚生労働省の規程例でも会社が行わない行為として挙げられています。
結果はどこに保存しますか。
本人の同意がない結果は、実施者や委託先が保存します。会社が持つのは、同意を得て受け取った結果と面接指導の記録などです。
出典(確認日)
- 労働安全衛生法(e-Gov法令検索、令和7年法律第33号による改正を含む)(2026-10-24)
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)第52条の9〜第52条の21(2026-10-24)
- 厚生労働省 小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月)(2026-10-24)
- 厚生労働省 基発0630第2号(令和8年6月30日)集団分析の規定の改正(2026-10-24)
- 厚生労働省 ストレスチェック制度実施規程(例)(2026-10-24)
- こころの耳 5分でできる職場のストレスセルフチェック(2026-10-24)