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カスハラ対策の義務化(2026年10月)で会社がすること

最終確認日 2026年10月22日

まず、よくある答え

2026年10月1日から、全ての事業主は、お客様や取引先などからの度を越えた言動から従業員を守るための措置を講じる義務を負いました。中身は、方針を決めて周知する、相談窓口を置く、起きたら事実を確かめて被害者に配慮し再発を防ぐ、特に悪質なものへの対処を決めておく、プライバシーを守り相談した人を不利益に扱わない、の5つの柱です。

カスハラ ポスター メーカー+対応方針キット

指針の10の措置にそった基本方針、対応手順、記録シートと、お店に貼るポスターをまとめて作れます。

方針とポスターを作る

何が義務になったか

改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、カスタマーハラスメントの防止のための雇用管理上の措置が全ての事業主の義務になりました。会社の規模や業種による例外はなく、パートや契約社員、派遣で受け入れている人も守る対象に入ります。

具体的に何をするかは、厚生労働省の指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が定めています。同じ日から、採用面接やインターンシップなどで求職者等へのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置も義務になりました(告示第52号)。

出典:厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために

カスハラに当たる3つの要素

指針は、職場におけるカスタマーハラスメントを、顧客等の言動であって、業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの、と定め、3つの要素をすべて満たすものとしています。電話やSNSでの言動も含まれます。

顧客等には、今のお客様だけでなく、問い合わせをする人、取引先の担当者、施設の利用者とその家族、近隣の住民も入ります。一方で、苦情のすべてがカスハラになるわけではなく、社会通念上許容される範囲の申し入れは正当なものとして扱います。障害のある方が合理的配慮を求めること自体も当たりません。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

指針が定める10の措置

出典:厚生労働省 リーフレット(詳細版)2026年10月1日からカスタマーハラスメント対策等が義務化されます

小さなお店・事業所がまず整えること

従業員が数人の店でも義務は同じですが、立派な規程から始める必要はありません。まず、方針と対処の手順を1枚にまとめて全員に見せる、相談先を店長以外にも一人決めておく、起きたことを書き残す用紙を用意する、の3つを整えると、指針の措置の多くに手が届きます。

お客様向けの掲示は義務ではありませんが、指針は方針を顧客等に知らせることも被害の防止に効果的としています。レジ横や受付に方針を貼ることは、従業員にとっても会社が守ってくれるという合図になります。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

対策を作るときの注意

指針は、消費者の権利や、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供義務に留意するよう求めています。医療や介護、運送のように法律でサービスの提供が義務になっている業種では、提供を断る判断に特に注意が要ります。

東京都では、これより前の2025年4月1日に東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が施行されています。都内の事業者は、都の指針や支援策もあわせて確かめておくとよいでしょう。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

あわせて読むページ

その場の手順と記録の取り方は、対応マニュアルのページにまとめています。

カスハラ対応マニュアルの作り方就業規則 作成就業規則とは

よくある勘違い

「従業員が少ない店は対象外。」

→ 規模による例外はなく、全ての事業主が対象です。

「お客様の苦情はすべてカスハラとして断ってよい。」

→ 社会通念上許容される範囲の申し入れは正当なもので、カスハラには当たりません。

「店内にポスターを貼れば義務を果たしたことになる。」

→ 掲示は効果的な取り組みの一つですが、義務は相談体制や事後の対応などを含む10の措置です。

よくある質問

罰則はありますか。

厚生労働省の企業マニュアルは、対応が不十分な場合は都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となり得るとしています。詳しくは都道府県労働局に確かめてください。

相談窓口は外部に頼んでもよいですか。

指針は、外部の機関に相談への対応を委託することも窓口を定めている例として挙げています。

パワハラの窓口と同じでよいですか。

指針は、ほかのハラスメントの相談窓口と一体的に置くことも考えられるとしています。

出典(確認日)

一般的な情報とひな形の提供です(社会保険労務士法27条・弁護士法72条により、個別の相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・弁護士へご相談ください。