BridgeInvoice

カスハラ対応マニュアルの作り方:手順と記録

最終確認日 2026年10月22日

まず、よくある答え

カスハラ対応マニュアルは、その場で誰が何をするかを決めた手順書です。一般的には、受付(話を聞く)、判断(要求や態様が度を越えていないか)、対応(一人で対応しない、時間を区切る)、記録(すぐに書き残す)、報告・相談(責任者や窓口へ)の5段階で作ると、指針が求める対処の内容と事後の対応を一つにまとめられます。

カスハラ ポスター メーカー+対応方針キット

対応手順、事案記録シート、相談窓口の掲示文を、事業者名と窓口を入れて PDF・Word で作れます。

対応手順と記録シートを作る

マニュアルが要る理由

指針は、カスハラの内容とあらかじめ定めた対処の内容を従業員に周知することを措置の一つにしています。周知の例として、顧客対応のマニュアルにカスハラの内容と対処を書いて知らせることが挙げられています。

その場で従業員が一人で判断を迫られる状態は、本人の負担が大きく、対応も人によってばらつきます。決めた手順があれば、新しく入った人でも同じように動け、責任者もすぐに引き継げます。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

手順の組み立て

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

記録の取り方

指針は、事案の内容や対応の経緯を記録し、個人情報の扱いに注意して関係部門と共有し、再発防止に生かすことも考えられるとしています。厚生労働省の企業マニュアルは、録音・録画、対応記録、時間の計測など、第三者が確かめられる証拠を集めることを勧めています。

記録シートには、日時(始まりと終わり)、場所や手段、相手の言動をそのままの言葉で、対応した人、経過、証拠の有無、警察や本部への連絡、社内の共有先、対応した従業員の状態を書く欄を設けます。評価や推測ではなく、見聞きした事実を書くのがこつです。

出典:厚生労働省 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)

警察に相談する目安

指針は、暴行、傷害、脅迫など犯罪に当たり得る言動は警察へ通報することを、対処の内容の例に挙げています。殴る、物を投げる、店の物を壊すとほのめかす、居座って帰らないといった言動は、その場で110番することをためらわないよう、マニュアルにはっきり書いておきます。

すぐに危険はないものの、同じ人から脅すような電話やメールが続く場合は、記録をそろえて最寄りの警察署に相談する、法的な手続きが必要なら弁護士に相談する、という流れも書いておくと、現場が迷いません。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

従業員を守る仕組み

カスハラが確認できたときは、責任者が代わって対応する、担当を替える、相手と引き離す、心身の不調について相談に乗るといった配慮の措置を速やかにとります。相談した人のプライバシーを守ること、相談したことを理由に不利益に扱わないことも、マニュアルと就業規則に書いて周知します。

特に悪質なものに対しては、警告文を出す、法令の範囲内でサービスの提供を断る、出入りを断るなどの対処の方針を前もって決め、誰が判断するかを決めておくことが指針の措置になっています。

出典:厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

あわせて読むページ

義務の全体像と10の措置は、義務化のページにまとめています。

カスハラ対策の義務化(2026年10月)で会社がすることカスハラ ポスター メーカー+対応方針キット

よくある勘違い

「カスハラの相手には一切謝ってはいけない。」

→ こちらに非がある点は、その点に限って謝ることで話が整理しやすくなります。

「録音するときは相手の許可が要る。」

→ 指針は対処の例に録音・録画を挙げ、個人情報保護法などを守って扱うよう求めています。扱い方は社内で決めておきます。

「警察を呼ぶのは最後の手段。」

→ 暴行、傷害、脅迫など犯罪に当たり得る言動は、警察へ通報することが対処の例として挙げられています。

よくある質問

マニュアルは業種ごとに変えるべきですか。

指針は、業種や業態で被害の実態や必要な対応が違うため、それぞれの状況に応じた取り組みが重要としています。

記録はどれくらい保管しますか。

法律で決まった期間はありません。再発防止や紛争に備えて社内で期間を決め、個人情報として管理します。

電話を切ってもよいですか。

指針は、十分に説明したうえでなお繰り返しの要求が続く場合に、一定の時間で電話を切ることを対処の例に挙げています。

出典(確認日)

一般的な情報とひな形の提供です(社会保険労務士法27条・弁護士法72条により、個別の相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・弁護士へご相談ください。