受取手形とは(資産の勘定科目)と仕訳
最終確認日 2026年10月31日
受取手形は、売上の代金などを約束手形で受け取ったとき、期日に代金を受け取る権利を記録する勘定科目です(資産)。個人事業主と法人のどちらも使い、紙の手形は2027年3月末で手形交換が終わる予定です。
受取手形と紙の手形の廃止
全国銀行協会は2026年6月18日、電子交換所での手形・小切手の交換を2027年3月31日で終えると公表しました。同時に、2027年4月1日から手形・小切手が使えなくなるわけではないとも説明しています。銀行によってはすでに最終の振出期限を決めています。
紙の手形の代わりに広がっているのが電子記録債権(でんさい)です。でんさいで受け取った場合は、受取手形の代わりに電子記録債権という科目を使うのが一般的です。
受取手形の仕訳例
| ケース | 借方 | 貸方 | 消費税の区分 |
|---|---|---|---|
| 売掛金33万円を手形で受け取った | 受取手形 330,000円 | 売掛金 330,000円 | 対象外 |
| 期日に33万円が入金された | 普通預金 330,000円 | 受取手形 330,000円 | 対象外 |
| 期日前に銀行で割り引き、割引料3,000円を引かれた | 普通預金 327,000円、手形売却損 3,000円 | 受取手形 330,000円 | 割引料は非課税 |
消費税の区分
約束手形は支払手段にあたり、その譲渡は非課税です(消費税法基本通達6-2-3)。手形を割り引いたときの割引料も、利子を対価とする貸付金等として非課税です(6-3-1)。売上の消費税は手形を受け取る前、売上を計上したときに付けています。
取適法と手形
公正取引委員会は、取適法の対象になる取引では、2026年1月1日以後の発注分から手形での支払が禁止されたと案内しています。発注元から手形で受け取っている場合は、支払方法が振込やでんさいに変わることがあるので、入金の予定と帳簿の科目を見直します。
関連する科目
- 支払手形:手形で払った代金(反対の向き)
- 売掛金:手形を受け取る前の代金
- 電子記録債権:でんさいで受け取った代金
よくある勘違い
「2027年4月からは紙の手形はまったく使えない」
→ 全銀協は2027年3月31日で電子交換所での交換を終えるとしつつ、4月1日から使えなくなるわけではないと説明しています。取引銀行の取扱いを確かめます。
「手形を割り引いたときの割引料には消費税がかかる」
→ 割引料は利子に類するものとして非課税です。課税仕入れにはなりません。
よくある質問
受け取った手形を仕入先への支払に回しました。
手形の裏書譲渡です。買掛金を減らし、受取手形を減らす仕訳にします。裏書した手形が不渡りになると支払の義務が残るので、期日まで記録しておきます。
でんさいの勘定科目は。
受け取った側は電子記録債権、払った側は電子記録債務とするのが一般的です。会計ソフトに科目がなければ追加して使います。
手形が不渡りになりました。
受取手形を不渡手形などの科目に振り替え、振出人に請求します。回収できない見込みが確かになったら、貸倒損失や貸倒引当金で処理します。
受取手形の残高はどう管理しますか。
受取手形記入帳などに、振出人、金額、期日、取立てを頼んだ銀行を書いて管理します。会計ソフトでは補助科目や摘要で手形ごとに分けます。
出典(確認日)
- 全国銀行協会 電子交換所の交換廃止時期の決定および手形・小切手交換廃止時期の明確化について(2026年6月18日)(2026-10-31)
- 全国銀行協会 紙の手形・小切手利用廃止へ(2026-10-31)
- 国税庁 消費税法基本通達 6-2-3(支払手段の範囲・約束手形)(2026-10-31)
- 国税庁 消費税法基本通達 6-3-1(利子を対価とする貸付金等・手形の割引料)(2026-10-31)
- 公正取引委員会 取適法施行に当たり事業者の皆様に御留意いただきたい事項(2026-10-31)