1か月単位の変形労働時間制
最終確認日 2026年10月24日
1か月単位の変形労働時間制では、1か月以内の期間の所定労働時間の合計を、40時間×暦日数÷7(31日なら177.1時間)以内に収めれば、特定の日や週に8時間・40時間を超える所定を組めます。就業規則か労使協定で、対象者、期間と起算日、各日の労働時間を前もって定めます。
変形労働時間制の計算ツール
毎日の所定時間を入れると総枠や1年単位の上限を判定し、実績から時間外労働を3段階で数えます。
シフトを判定する総枠の計算
総枠は、週の法定労働時間(40時間)に期間の暦日数を掛け、7で割って出します。常時10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作を除く)、保健衛生業、接客娯楽業の事業場は、特例措置対象事業場として44時間で計算できます。
| 暦日数 | 週40時間 | 週44時間(特例) |
|---|---|---|
| 31日 | 177.1時間 | 194.8時間 |
| 30日 | 171.4時間 | 188.5時間 |
| 29日 | 165.7時間 | 182.2時間 |
| 28日 | 160.0時間 | 176.0時間 |
就業規則か労使協定で定めること
導入するには、就業規則か労使協定で、対象となる労働者、変形期間(1か月以内)と起算日、期間中の各日の労働時間と各週の労働時間を定めます。労使協定で定めた場合は、有効期間も定めて労働基準監督署に届け出ます。
勤務日や時間をシフト表で決める場合は、就業規則に勤務のパターンと、シフト表をいつまでに作って知らせるかを定め、期間が始まる前に各日の時間を確定させます。期間の途中で会社の都合により所定を変えることはできません。
計算例
31日の月で、第1週は月〜金が8時間、第2週は6時間・6時間・7時間・7時間・8時間・土曜4時間、第3週は6時間・8時間・8時間・10時間・10時間、第4週は6時間・6時間・8時間・8時間・4時間・4時間、最後の2日が8時間という組み方は、合計172時間で総枠177.1時間に収まります。この例では、10時間の日も所定どおりなら時間外になりません。
反対に、30日の月に所定の合計が177時間のシフトを組むと、総枠171.4時間を5.6時間超えるため、そのシフトは組み直す必要があります。総枠を超えたまま運用すると、変形労働時間制の要件を満たさなくなります。
運用の注意
1か月単位には1年単位のような1日・1週の上限はありませんが、長時間の勤務が続くと健康への影響が大きくなります。36協定の時間外労働の上限や、育児・介護をする人への配慮も合わせて考えます。
途中で入社・退職した人も、所定どおりに働いた分は時間外になりません。ただし実際に働いた時間が8時間・40時間を超えた日や週の扱いは、時間外の数え方で確かめます。
よくある勘違い
「1か月単位なら、シフトを月の途中で自由に変えてよい。」
→ 各日の所定は期間が始まる前に決め、会社の都合で途中変更はできません。変更が続くと制度として認められなくなります。
「総枠の時間は会社が好きに決められる。」
→ 総枠は40時間(特例44時間)×暦日数÷7で決まり、これを超える所定は組めません。
よくある質問
期間は必ず1か月ですか。
1か月以内なら、4週間や2週間などでも定められます。その場合も総枠は暦日数から計算します。
休日は何日必要ですか。
毎週1日か4週4日の法定休日は必要です。総枠に収まっていても、休日の決まりは別に守ります。
特例措置対象事業場はどうやって確かめますか。
業種が商業、映画・演劇業(映画の製作を除く)、保健衛生業、接客娯楽業のいずれかで、事業場ごとに常時使用する労働者が10人未満であれば当たります。会社全体ではなく、店舗や事業所ごとに数えます。
1か月の起算日は月初でなくてもよいですか。
給与の締め日に合わせて21日始まりにするなど、自由に定められます。定めた起算日から1か月が1つの期間になります。
出典(確認日)
- 厚生労働省 リーフレット「1箇月単位の変形労働時間制」(2026-10-24)
- 静岡労働局 1か月単位の変形労働時間制の時間外労働の考え方(2026-10-24)
- 岩手労働局 労働時間チェックカレンダー(2026-10-24)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第32条の2・第32条の4・第32条の5(2026-10-24)