変形労働時間制とは
最終確認日 2026年10月24日
変形労働時間制は、一定の期間を平均して週40時間以内に収めることを条件に、特定の日や週の所定労働時間を8時間・40時間より長くできる仕組みです。期間の長さで1か月単位・1年単位・1週間単位があり、忙しい時期に長く、暇な時期に短く働く形を、時間外労働にせずに組めます。
変形労働時間制の計算ツール
毎日の所定時間を入れると総枠や1年単位の上限を判定し、実績から時間外労働を3段階で数えます。
シフトを判定する原則の1日8時間・週40時間との関係
労働基準法は、労働時間を原則として1日8時間・1週40時間までとし、これを超えると時間外労働として割増賃金が必要になります。変形労働時間制は、この原則を期間で平均して考える例外で、労使協定や就業規則で定めたときにだけ使えます。
たとえば月末に忙しい会社なら、月初は1日6時間、月末は1日10時間といった組み方ができます。月全体の所定労働時間が総枠に収まっていれば、月末の10時間の日でも所定どおりに働いた分は時間外になりません。
1か月単位・1年単位・1週間単位の違い
どの種類も、期間の平均で週40時間以内に収めるという考え方は同じで、期間が長いほど上限の決まりが細かくなります。
1週間単位の非定型的変形労働時間制は、日ごとの忙しさの差が大きく、前もって勤務を決めにくい小規模な店舗のための仕組みで、各日の労働時間を前の週のうちに書面で知らせます。
| 種類 | 期間 | 主な決まり | 定め方 |
|---|---|---|---|
| 1か月単位 | 1か月以内 | 期間の総枠(40時間×暦日数÷7)に収める。1日・1週の上限はない | 労使協定か就業規則 |
| 1年単位 | 1か月を超え1年以内 | 1日10時間・1週52時間まで、労働日数は1年280日まで、連続6日まで | 労使協定(届出) |
| 1週間単位 | 1週間 | 小売業・旅館・料理店・飲食店で30人未満の事業場、1日10時間まで | 労使協定(届出) |
シフト制・フレックスタイム制との違い
シフト制は、契約の段階では働く日や時間を決めず、シフト表で決まる働き方を指す言葉で、法律上の制度の名前ではありません。シフト制で働く人の労働時間も、変形労働時間制を導入していなければ1日8時間・週40時間の原則で数えます。
1か月単位の変形労働時間制をシフト制の職場で使うときは、就業規則に始業・終業時刻のパターンと組み合わせ方、シフト表の作り方を定め、期間が始まる前にシフトを決めておく必要があると厚生労働省は説明しています。
フレックスタイム制は、働く人が始業・終業の時刻を自分で決める仕組みで、清算期間の総枠を超えた時間が時間外になります。会社が日ごとの所定時間を決める変形労働時間制とは、時間を決める人が違います。
導入に必要なこと
1か月単位は、労使協定(労働基準監督署へ届出)か就業規則で、対象者、期間と起算日、期間中の各日・各週の労働時間を定めます。1年単位は労使協定が必要で、様式第4号の協定届を労働基準監督署に出します。
いずれも、会社の都合でその日の所定時間を後から変えることはできません。所定時間を前もって決めずに運用すると、変形労働時間制として認められず、原則どおり8時間・40時間を超えた分が時間外になります。
よくある勘違い
「変形労働時間制なら、何時間働いても残業代は出ない。」
→ 所定の時間を超えて働いた分や、期間の総枠を超えた分は時間外労働になり、割増賃金が必要です。
「シフト制は変形労働時間制のこと。」
→ シフト制は勤務の決め方を指す言葉で、制度ではありません。変形労働時間制として扱うには、労使協定か就業規則の定めが要ります。
よくある質問
変形労働時間制はパートにも使えますか。
使えます。対象者を労使協定や就業規則で定めれば、パートやアルバイトも対象にできます。
変形労働時間制かどうかは、どこで確かめられますか。
就業規則の労働時間の章か、会社が結んだ労使協定に書かれています。労働条件通知書にも、変形労働時間制の対象かどうかが記載されるのが一般的です。
変形労働時間制を使っている会社でも36協定は必要ですか。
時間外労働や休日労働をさせるなら必要です。変形労働時間制は所定労働時間の組み方の仕組みで、時間外労働の手続きは別です。
出典(確認日)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第32条の2・第32条の4・第32条の5(2026-10-24)
- 厚生労働省 法令等データベース 昭和63年1月1日 基発第1号(2026-10-24)
- 厚生労働省 リーフレット「1箇月単位の変形労働時間制」(2026-10-24)
- 厚生労働省・労働局 リーフレット「1年単位の変形労働時間制」(2026-10-24)
- 厚生労働省「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」(2026-10-24)
- 三重労働局 変形労働時間制(2026-10-24)