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変形労働時間制の残業代

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

変形労働時間制の時間外労働は、1日(所定が8時間を超える日は所定、それ以外は8時間を超えた時間)、1週(所定が40時間を超える週は所定、それ以外は40時間を超えた時間)、期間(総枠を超えた時間)の順に数え、前の段階で数えた時間は除きます。所定どおりに長く働いた日は時間外になりませんが、所定を超えて働いた分は割増賃金の対象です。

変形労働時間制の計算ツール

毎日の所定時間を入れると総枠や1年単位の上限を判定し、実績から時間外労働を3段階で数えます。

シフトを判定する

時間外になる3つの線

この順番は、1か月単位については昭和63年の通達、1年単位については平成6年の通達で示されています。週は、就業規則で定めがなければ日曜日から土曜日で区切ります。

出典:厚生労働省 法令等データベース 昭和63年1月1日 基発第1号

厚生労働省のリーフレットの計算例

31日の月(日曜始まり)で所定の合計が172時間、時給1,000円の例です。第2週の金曜は所定8時間に対して9時間働いたので、1日の線で1時間が時間外になります。土曜は所定4時間に対して7時間働き、8時間以内なので1日の線では時間外になりません。

第2週の実労働は42時間で、1日の線で数えた1時間を除くと41時間になり、所定38時間の週なので40時間を超えた1時間が時間外です。土曜の残り2時間は法定内の残業です。第3週の金曜は所定10時間に対して11時間働いたので、所定を超えた1時間が時間外になります。

第4週の金曜と土曜は所定4時間に対して6時間ずつ働きましたが、週の合計が40時間なので法定内です。月の実労働は181時間で、1日・1週で数えた3時間を除くと178時間になり、総枠177.1時間を超えた0.9時間が期間の線の時間外です。

賃金は、所定分172,000円、法定内の残業6時間分6,000円、1日・1週の時間外3時間分3,750円(1.25倍)、期間の0.9時間分は所定の時間として支払い済みなので割増分の0.25倍で225円、合計181,975円とされています。

同じ数え方で計算する

出典:厚生労働省 リーフレット「1箇月単位の変形労働時間制」

「ずるい」「やめとけ」と言われる理由

変形労働時間制では、所定が10時間の日に10時間働いても時間外になりません。8時間を超えれば残業代が出るという感覚で見ると、残業代が減ったように感じられるのが、ずるいと言われる理由の一つです。

ただし制度が認めているのは、期間の総枠の中で所定の配分を変えることだけです。総枠は変わらないので、期間全体の所定労働時間が増えるわけではなく、所定を超えた時間や総枠を超えた時間には割増賃金が必要です。

制度として認められないのは、所定時間を前もって決めずに後から当てはめる運用や、総枠を超えるシフトです。こうした運用では変形労働時間制の要件を満たさず、原則どおり8時間・40時間を超えた分が時間外として扱われます。自分の勤務がおかしいと感じたら、シフト表と実績を残して労働基準監督署に相談できます。

残業代の金額を計算する(そろばんノート)

よくある勘違い

「変形労働時間制では残業代が一切出ない。」

→ 所定を超えた時間、週の基準を超えた時間、期間の総枠を超えた時間は時間外労働で、割増賃金が必要です。

「1日8時間を超えた時間はすべて残業になる。」

→ 所定が8時間を超える日は、所定までは時間外になりません。その日の所定を超えた時間から時間外です。

「所定が短い日に長く働いた分は、すべて割増になる。」

→ 所定が8時間未満の日に8時間まで働いた分は法定内の残業で、週や期間の基準を超えなければ割増は要りません(通常の賃金は支払います)。

よくある質問

深夜や休日に働いた分はどうなりますか。

深夜(22時〜5時)の割増や法定休日の割増は、変形労働時間制でも別に必要です。

期間の途中で辞めた場合の残業代は。

1年単位では、働いた期間を平均して週40時間を超えた分を精算します。1か月単位でも、実際の労働時間で3段階の数え方を確かめます。

出典(確認日)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。