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電子印鑑とは

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

電子印鑑は、印影を画像にしてPDFやExcelの書類に置くものです。契約は押印がなくても当事者の合意で成り立ち、押印は文書を本人が作ったと推定させる手がかりの一つにすぎません。画像の印影は誰でも複製できるため、電子署名法の電子署名とは違い、本人が作ったことや改変されていないことを証明する仕組みはありません。

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押印がなくても契約は成り立つ

内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」は、契約は当事者の意思の合致で成立し、書面や押印は特別な定めがない限り要件ではないと説明しています。押印をしなくても、契約の効力には影響しません。

押印の役割は、裁判で文書が本人の意思で作られたことを示す証拠の一つになることです。本人の印鑑で押された文書は本人が作ったものと推定されますが(二段の推定)、印鑑が盗まれたなどの反証で覆ることもあり、文書に書かれた内容が正しいことまでは示しません。

出典:内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)

電子署名との違い

電子署名法2条は、電子署名を、その情報を本人が作ったことを示し、改変されていないかを確かめられる措置と定めています。3条は、本人だけが行える電子署名がある電子文書は、本人が作ったものと推定すると定めています。

印影の画像は、コピーすれば誰でも同じものを置けるうえ、書類が書き換えられても分かりません。こうした仕組みを備えていないため、電子署名法の電子署名には当たらず、3条の推定も受けないと考えられます。本人が同意したことを確かに残したい契約には、電子署名や電子契約の仕組みを使います。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律(e-Gov法令検索)第2条・第3条

請求書・見積書に押すときの考え方

請求書や見積書、納品書は、法律で押印が求められている書類ではありません。押印は、会社として正式に出した書類であることを示す習慣として行われてきたもので、電子印鑑はそれを電子の書類でも続けるための手段です。

押印についてのQ&Aは、継続的な取引ではメールの送受信の記録を保存しておくことも、文書が本物であることを示す有力な手がかりになると挙げています。電子印鑑を押すかどうかより、誰からいつ届いたかが分かる形で送受信と保存をしておくことが大切です。

インボイス制度でも、適格請求書の記載事項に押印は含まれていません。取引先から押印を求められた場合に、体裁として電子印鑑を使うと考えるのが実務に合っています。

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電子印鑑の種類

電子印鑑には、印影の画像だけのものと、押した人や日時の情報を画像と一緒に記録する仕組みを持つものがあります。後者は電子署名やタイムスタンプと組み合わせたサービスとして提供され、社内の決裁などで誰がいつ承認したかを残すのに使われます。

見た目は同じ印影でも、証明できることは仕組みによって違います。体裁のための押印なら画像で足り、証明が必要な場面では電子署名の仕組みを使う、と使い分けます。

出典:デジタル庁・法務省「電子署名法第3条に関するQ&A」

よくある勘違い

「電子印鑑を押していない請求書は無効になる。」

→ 請求書の有効性は押印で決まりません。押印についてのQ&Aも、押印をしなくても契約の効力に影響はないとしています。

「電子印鑑は電子署名と同じ法的な効力がある。」

→ 印影の画像には、本人が作ったことや改変がないことを確かめる仕組みがなく、電子署名法の電子署名とは別のものです。

「実印の印影を画像にしておけば便利。」

→ 実印の印影は悪用されたときの影響が大きく、画像にして保存するのは避けるのが無難です。体裁のための押印には別の印影を使います。

よくある質問

電子印鑑を押した書類を紙に印刷して使えますか。

使えますが、印刷した印影は朱肉で押した印影とは区別がつきにくいため、取引先が朱肉の押印を求めているときは事前に確かめます。

社内の決裁に電子印鑑を使ってよいですか。

社内規程で認めていれば使えます。誰がいつ承認したかを残すなら、承認の記録が残るワークフローの仕組みと組み合わせます。

出典(確認日)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。