コマーシャルインボイスとは(書く項目と、ほかの書類との違い)
最終確認日 2026年10月24日
コマーシャルインボイスは、輸出する品物の売主が買主に宛てて、品名、数量、単価、合計額、取引の条件などを示す送り状で、輸出と輸入の通関で使われます。税関は輸出申告の添付書類として仕入書(インボイス)又はそれに代わる書類を求めており、国際郵便で物品を送るときも国によってインボイスが必要です。国内の消費税の「適格請求書(インボイス制度)」とは別の書類です。
コマーシャルインボイス作成
品名・HSコード・原産国・貿易条件を入れると、英語のインボイスと同じ内容のパッキングリストをPDFとWordで作ります。
インボイスを作るコマーシャルインボイスの役割
輸出申告は、輸出申告書を税関長に出して行い、その添付書類として仕入書(インボイス)又はそれに代わる書類が必要とされています(税関 カスタムスアンサー5009、関税法第68条・同法施行令第61条など)。場合によっては包装明細書(パッキングリスト)や、他の法令の許可書も求められます。
輸出申告書の記載方法の案内(カスタムスアンサー5010)では、輸出者はインボイスに荷送人として書かれた人、貨物の仕向人はインボイスに荷受人として書かれた人が原則とされ、申告書の品名もインボイスの品名を書くとされています。インボイスの内容が、そのまま通関書類の基になるということです。
輸入する国でも、関税の計算や輸入の審査にインボイスが使われます。品名があいまいだったり金額が実際と違ったりすると、相手の国で通関が止まる原因になります。
書く項目
決まった様式はありませんが、日本郵便のインボイスの記入例では、送り主と受取人の名前・住所・電話番号、作成日と作成地、追跡番号、送り方、内容品ごとの品名・正味重量・数量・単価・合計、通貨、総個数と総重量、原産国、送り主の署名を書く形になっています。
取引で使うときは、これに請求番号、着荷通知先(Notify party)、仕向地、貿易条件、輸出の理由(販売、サンプル、贈り物、返品、修理)、運賃と保険料を加えることが多くあります。
品目の分類番号にはHSコードを使います。日本の輸出統計品目表の番号は、国際共通の6桁に細分3桁を加えた9桁で、輸出申告書にはこの番号を書きます(カスタムスアンサー5010)。番号は税関の輸出統計品目表で、輸入する国での分類の目安は実行関税率表で調べられます。迷うときは税関の事前教示制度を使う方法もあります。
貿易条件は、インコタームズ2020の11の規則(EXW、FCA、CPT、CIP、DAP、DPU、DDP、FAS、FOB、CFR、CIF)から選び、FCA Narita Airportのように引き渡す場所や港と一緒に書きます。どこで危険と費用が売主から買主に移るかを決める国際商業会議所(ICC)の規則で、代金の支払い方法や所有権が移る時期は決めていません。
プロフォーマインボイスとの違い
プロフォーマインボイス(見積りインボイス、仮送り状)は、出荷や契約の前に、品名や数量、価格、条件を前もって示すために出す書類として使われています。買主が前払いの送金や輸入の許可の申請をするときの資料にすることが多く、税関や日本郵便の案内に統一された定義はありません。
コマーシャルインボイスは、実際に出荷する品物と取引の内容を示す書類です。日本郵便の国別の案内では、ある国について商業物品には商業インボイス、それ以外は見積りインボイスでもよいとされているように、どちらを使えるかは仕向国のルールで決まります。
パッキングリストとの違い
パッキングリスト(包装明細書)は、どの箱に何がいくつ入っているか、箱ごとの正味重量と総重量、寸法、荷印を示す書類で、価格は書きません。通関で貨物を検査するときや、受け取った側が中身を確かめるときに使います。
インボイスは金額の書類、パッキングリストは梱包の書類という役割の違いです。同じ品目を両方に書くので、数量と重量が食い違わないよう、同じ元データから作ると間違いが減ります。税関の案内でも、包装明細書は場合によって必要になる書類として挙げられています。
ノンコマーシャルインボイス(贈り物・サンプル・返品)
売買ではない品物を送るときに、輸出の理由をGift(贈り物)、Sample(サンプル)、Return(返品)、Repair(修理)などと書いたインボイスを、ノンコマーシャルインボイスと呼ぶことがあります。代金を受け取らなくても、税関に申告する価格は書きます。
日本郵便は、プレゼント、おまけ、サンプルなどの無償品であっても、ラベルとインボイスに品名、単価、数量の記載が必要としています。価格を0や空欄にすると、相手の国の通関で止まることがあります。
国際郵便で送るとき
日本郵便のEMSや国際小包で物品を送るときに、税関告知書(CN22・CN23)とインボイスが何枚必要かは、国・地域や品物の種類で違い、日本郵便が国別の一覧を出しています。国際郵便マイページでラベルを作ると、必要な枚数のインボイスがまとめて出力されます。
内容品の合計価格が20万円を超える(税込み20万1円以上の)郵便物は、税関への輸出申告と輸出許可が必要です。同じ受取人に同時に複数個送るときは、全部の合計で判断します。日本郵便に申告を任せる場合は、英語で作ったインボイス、通関委任状(輸出)、輸出申告代行手数料(1件2,800円)を郵便物と一緒に渡します。
インボイスはすべて英語で、ローマ字と算用数字だけを使って書くよう案内されています。日本の住所や会社名を英語で書くときは、英語表記の解説を参考にしてください。国際宅配便(クーリエ)で送る場合は、運送会社ごとの書式や記入の案内に従います。
原産地証明書と、国内のインボイス制度との関係
原産地証明書は、品物がどこの国で作られたかを証明する別の書類です。非特恵の原産地証明書は日本各地の商工会議所が発行し、経済連携協定(EPA)の特恵関税を使うための特定原産地証明書は、多くの協定で日本商工会議所が発給しています。インボイスに原産国を書くだけでは、原産地証明書の代わりにはなりません。
国内の消費税のインボイス制度でいう「インボイス」は適格請求書のことで、登録番号や税率ごとの消費税額を書く書類です。輸出のコマーシャルインボイスとは目的も記載事項も違います。
よくある勘違い
「贈り物やサンプルは無料なので、インボイスの価格は0でよい。」
→ 無償品でも、品名・単価・数量を書きます(日本郵便)。申告する価格を書かないと、相手の国の通関で止まることがあります。
「コマーシャルインボイスは、インボイス制度の適格請求書のこと。」
→ 別の書類です。コマーシャルインボイスは輸出入の通関で使う送り状で、適格請求書は国内の消費税の仕入税額控除のための書類です。
「パッキングリストにも単価と金額を書く。」
→ パッキングリストは梱包の内容と重量・寸法を示す書類で、価格は書きません。金額はインボイスに書きます。
よくある質問
手書きのインボイスでも使えますか。
様式の決まりはありませんが、日本郵便は英語で、ローマ字と算用数字だけで書くよう案内しています。読み違いを防ぐため、作成ツールや表計算で作って印刷する方法が一般的です。
インボイスは何枚用意すればよいですか。
国際郵便では、仕向国と品物によって枚数が違います。日本郵便の国別の一覧で確かめてください。
出典(確認日)
- 税関 カスタムスアンサー 5009 輸出申告の際に必要な書類(2026-10-24)
- 税関 カスタムスアンサー 5010 輸出申告書の記載方法について(2026-10-24)
- 日本郵便 インボイスについて(2026-10-24)
- 日本郵便 内容品の合計価格が20万円を超える郵便物を海外へ発送されるお客さまへ(2026-10-24)
- 日本郵便 EMSの発送に必要な書類(国・地域別)(2026-10-24)
- 税関 輸出統計品目表(2026-10-24)
- 税関 実行関税率表(2026-10-24)
- JETRO 貿易・投資相談Q&A インコタームズ2020(2026-10-24)
- JETRO 貿易・投資相談Q&A 原産地規則および原産地証明書:日本(2026-10-24)
- 国税庁 インボイス制度について(2026-10-24)