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障害者雇用の義務とは

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)は、事業主に、常用労働者の数に法定雇用率をかけた人数以上の障害者を雇うことを求めています(43条1項)。民間企業の法定雇用率は2026年7月1日から2.7%(それまでは2.5%)で、常用労働者が37.5人以上の会社は1人以上の雇用が必要です。あわせて、採用と雇用のすべての場面での差別の禁止と、合理的配慮の提供も義務です。

障害者雇用率の計算

常用労働者と障害者の人数から、法定雇用障害者数、不足か超過か、納付金・調整金の目安を計算します。

人数で計算する

法定雇用率と対象になる会社

法定雇用率は政令で定められ、民間企業は2.7%です(施行令9条)。政令の附則で2026年6月30日までは2.5%と読み替えられていたため、2.7%が実際に使われるのは2026年7月1日からです。国と地方公共団体は3.0%、都道府県などの教育委員会は2.9%です(施行令2条)。

雇用の義務が1人以上になる規模は、常用労働者37.5人以上です(施行規則7条)。2026年6月30日までは40.0人以上でした。法定雇用率は、働いている障害者と仕事を探している障害者の割合などから、少なくとも5年ごとに見直すと法律に書かれています(43条2項)。

出典:障害者の雇用の促進等に関する法律施行令(e-Gov法令検索)第9条ほか・附則

人数の数え方のあらまし

数えるのは会社全体の常用労働者で、事業所ごとではありません。週の所定労働時間が30時間以上の人は1人、20時間以上30時間未満の人は0.5人として数え、20時間未満の人は数えません。法定雇用障害者数を出すときの1人未満の端数は切り捨てます(43条1項)。

雇っている障害者の側は、重度の身体障害者・知的障害者を週30時間以上なら2人として数えるなど、障害の種類と労働時間で数え方が変わります。2024年4月からは、重度の身体障害者・知的障害者と精神障害者で週10時間以上20時間未満の人も0.5人として数えます。具体的な人数は、計算ツールで内訳つきで確かめられます。

障害者雇用率の計算

出典:厚生労働省 障害者の法定雇用率の引上げと支援策の強化について

差別の禁止と合理的配慮

募集と採用では、障害者でない人と均等な機会を与えなければなりません(34条)。賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇で、障害者であることを理由に不当な差別的取扱いをすることも禁止です(35条)。

あわせて、募集・採用のときと働いているあいだの両方で、障害の特性に配慮した措置(合理的配慮)を講じる義務があります(36条の2・36条の3)。ただし、事業主に過重な負担を及ぼすときは、この限りでないとされています。どんな配慮をするかは、本人と話し合って決めます。

出典:障害者の雇用の促進等に関する法律(e-Gov法令検索)

そのほかの義務と届出

障害者を5人以上雇う事業所では、3か月以内に障害者職業生活相談員を選び、ハローワークに届け出ます(79条2項、施行規則38条・40条)。社内の体制を整える責任者として障害者雇用推進者を選ぶことは、努力義務です(78条2項)。

障害者を解雇するときは、本人の責めに帰すべき理由による場合などを除き、ハローワークに届け出ます(81条)。毎年6月1日現在の雇用状況の報告も義務で、報告をしないと30万円以下の罰金の対象です(43条7項、86条)。

障害者雇用状況報告書の書き方

出典:障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第6条〜第8条・第38条〜第42条・別表第四

達成できないとき(指導から企業名の公表まで)

法定雇用率に届かない会社には、ハローワークが段階を踏んで指導します。厚生労働省の資料では、まず翌年1月から2年間の雇入れ計画の作成を命じ(46条1項)、計画の実施状況が悪いと適正実施勧告をし、それでも改善しないと公表を前提とした特別指導を行います。

正当な理由なく勧告に従わないときは、企業名を公表できるとされています(47条)。常用労働者100人を超える会社は、不足する人数に応じて障害者雇用納付金も納めます。納付金を納めても雇用の義務がなくなるわけではありません。

障害者雇用納付金と調整金・報奨金

出典:厚生労働省 障害者雇用率達成指導の流れ

義務化はいつからか

法律は1960年の身体障害者雇用促進法に始まり、1976年にすべての企業に雇用率が義務になり、納付金制度も始まりました。当初の法定雇用率は1.5%でした。知的障害者の雇用が義務になったのは1998年、精神障害者が雇用義務の対象に加わったのは2018年4月1日です。

出典:厚生労働省 障害者雇用促進制度の概要と経緯(審議会資料)

よくある勘違い

「納付金を払えば障害者を雇わなくてよい。」

→ 納付金は不足に応じた負担で、雇用の義務は残ります。未達成の会社には雇入れ計画の作成命令や指導があります。

「法定雇用率は事業所ごとに達成する。」

→ 会社全体(企業単位)の常用労働者で計算します。

「週20時間未満で働く人はどの障害でも数えない。」

→ 2024年4月から、重度の身体障害者・知的障害者と精神障害者は週10時間以上20時間未満でも0.5人として数えます。

よくある質問

従業員が40人の会社に義務はありますか。

2026年7月からは37.5人以上の会社が1人以上の対象です。短時間の人は0.5人として数えるので、計算ツールで確かめます。

罰則はありますか。

雇用率を下回ったことそのものへの罰金はありません。報告をしない、虚偽の報告をする、雇入れ計画を出さないといった場合は罰金の対象です(86条)。

出典(確認日)

障害者雇用率制度の一般的な情報です(社会保険労務士法27条により、届の作成の代行や個別の相談はお受けしていません)。自社の人数の数え方や報告・申告は、ハローワーク、都道府県労働局、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)、社会保険労務士にご確認ください。