再発防止策の書き方(報告書の例文つき)
最終確認日 2026年11月2日
再発防止策は、起きた問題の原因を突き止め、同じことを起こさないために、何を、誰が、いつまでに変えるかを決めたものです。報告書では、発生した事象、原因、対策、効果の確かめ方の順に書きます。原因を人・手順・仕組みの3つに分けて考えると、注意するだけで終わらない対策を立てやすくなります。
再発防止策報告書の作成(無料)
件名、発生した事象、原因(人・手順・仕組み)、対策(内容・担当・期限)、効果の確かめ方を入れると、記書きの報告書に並べてWordとPDFにします。入力は送信されません。
再発防止策報告書を作る再発防止策報告書の見本(作業ミス:受注の入力誤り)
見本を文字で見る(コピーできます)
2026年11月◯日
業務部 部長 佐藤花子 様
業務部 受注課
山田太郎
再発防止策報告書
件名:受注入力の数量の誤りによる誤出荷について
標記の件について、原因と再発防止策を下記のとおりご報告いたします。
記
1. 発生した事象
2026年11月◯日、株式会社見本工業からの注文で、数量20個を200個と入力し、そのまま出荷しました。先方の受入で誤りが分かり、180個を引き取りました。
2. 原因(人・手順・仕組み)
人:注文書の数量を、見比べずに記憶で入力した。
手順:入力した内容を別の人が確かめる工程がなかった。
仕組み:受注システムに、いつもの数量と大きく違うときに知らせる機能がなかった。
3. 再発防止策(内容・担当・期限)
入力後、注文書と画面を指でさして読み合わせる(担当:受注課の全員、11月◯日から)
100個以上の注文は、出荷前に課長が確認する(担当:受注課長、11月◯日から)
いつもの注文数の5倍を超えると警告が出るよう、システムの設定を変える(担当:情報システム課、12月◯日まで)
4. 効果の確かめ方
12月から3か月間、毎月末に課長が誤入力の件数を集計し、部長に報告します。読み合わせをしたかどうかは、出荷伝票の確認欄で確かめます。
以上
名前・会社名・日付はすべて架空の例です。
例文:情報漏えい(メールの誤送信)の再発防止策
2026年11月◯日
代表取締役社長 佐藤一郎 様
営業部
山田太郎
再発防止策報告書
件名:来場者名簿を添付したメールの誤送信について
標記の件について、原因と再発防止策を下記のとおりご報告いたします。
記
1. 発生した事象
2026年11月◯日、展示会の来場者へ案内メールを送った際、来場者85名の氏名、会社名、メールアドレスの一覧を誤って添付したまま、全員に送信しました。受信者には同じ日のうちにお詫びと削除のお願いを送りました。
2. 原因(人・手順・仕組み)
人:送信の前に、添付したファイルを開いて中身を確かめなかった。
手順:一斉メールを一人で作り、そのまま送れる運用だった。
仕組み:個人情報を含むファイルの置き場所や受け渡し方に決まりがなかった。
3. 再発防止策(内容・担当・期限)
一斉メールは、作った人とは別の人が宛先と添付を確かめてから送る(担当:営業部、即日)
名簿のファイルは共有フォルダに置き、メールには添付しない(担当:営業部、11月◯日から)
メールソフトに、送信を数分遅らせる設定を入れる(担当:情報システム課、11月◯日まで)
4. 効果の確かめ方
1か月後に総務部が、一斉メールの送信記録と確認者の記録を突き合わせて点検し、結果を社長に報告します。
以上
再発防止策報告書のテンプレート(Word・PDF無料)
項目を入れて整えたいときは、反省文・経緯書・事故報告書・お詫び状の作成ツールで、入れた内容を決まった順に並べてWordとPDFにできます(入力は送信されません)。
再発防止策の報告書の構成
- 件名:何についての再発防止策かを一行で。
- 発生した事象:いつ、何が起き、どんな影響が出たか。経緯を詳しく書いた書類があれば、それを添えて要点だけにします。
- 原因:人・手順・仕組みに分けて書きます。
- 再発防止策:対策ごとに、内容、担当、期限を書きます。
- 効果の確かめ方:対策が守られ、効いているかを、誰がいつ確かめるか。
原因を人・手順・仕組みに分ける
原因を「担当者の不注意」だけで終わらせると、対策も「注意する」しか出てきません。同じ人が明日も同じ状況に置かれたら、また起きるかを考えると、手順や仕組みの側の原因が見えてきます。
人の原因は、知識が足りなかった、確かめなかったといった本人の行動です。手順の原因は、確認の工程がなかった、手順書が古かったといった決まりの問題です。仕組みの原因は、システムが誤りを知らせない、似た部品が隣に置かれているといった、環境や道具の問題です。
対策の書き方
対策は、仕組みで防げるものを先に考えます。入力の誤りなら、目で確かめる回数を増やすより、システムが異常な数字を止めるほうが確実です。二重チェックは有効ですが、確認する人が「前の人が見たはず」と考えると働かなくなるため、何を見たかを記録に残す形にします。
1つの対策には、担当の部署か人と、いつから始めるか、いつまでに終えるかを必ず書きます。期限のない対策は、忙しくなると後回しになります。
効果の確かめ方
再発防止策は、決めたあとに続いているかを確かめるまでが一続きです。毎月の誤りの件数を数える、確認欄に記入があるかを抜き取りで見る、といった方法と、その結果を誰に報告するかを書いておくと、報告書を受け取った側も後から追いかけられます。
個人情報の漏えいが起きたとき
個人データの漏えいや、そのおそれが分かったときは、社内の再発防止策をまとめるのと並行して、個人情報保護委員会への報告が要るかを判断します。報告が要るのは、要配慮個人情報が含まれるとき、不正に使われると財産的な被害が出るおそれがあるとき、不正な目的によるおそれがあるとき、本人の数が1,000人を超えるときなどです。
委員会への報告は、まず発覚した日から3〜5日以内に速報を、次に30日以内に確報を出します。不正な目的で行われたおそれがあるときの確報は、60日以内です。確報には再発防止のための措置も書くため、この報告書の内容がそのまま材料になります。
よくある勘違い
「再発防止策は「今後は十分注意します」と書けば足りる。」
→ 注意だけでは、同じ状況になればまた起きます。手順や仕組みを変える対策に、担当と期限を付けて書きます。
「ダブルチェックを入れれば、それで再発は防げる。」
→ 確認する人が前の人を当てにすると働きません。何を見たかを記録に残すことや、仕組みで止める対策と組み合わせます。
よくある質問
原因がはっきりしないうちに再発防止策を出してもよいですか。
分かっている範囲の原因と、すぐにできる仮の対策を先に出し、調べ終えた時点で正式な対策を追って報告する形にできます。
再発防止策と始末書はどう違いますか。
始末書は本人が過失を認めて謝罪する書類で、再発防止策は組織として同じことを防ぐ計画です。本人を責めるより、手順と仕組みを直すことに重きを置きます。
出典(確認日)
- 個人情報保護委員会 漏えい等の対応とお役立ち資料(漏えい等報告)(2026-11-02)