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内部通報窓口の作り方

最終確認日 2026年10月24日

まず、よくある答え

内部通報窓口は、常時使用する労働者が300人を超える会社では設置が義務、300人以下では努力義務です。窓口を置いて担当部署と責任者を決め、通報者が分かる情報を扱う人を従事者として書面で指定し、受付・調査・是正・通知・記録の手順を内部規程に定めて、窓口の連絡先と体制の中身を役員・従業員・退職者・業務委託先のフリーランスに知らせます。

内部通報規程メーカー

窓口の部署や受付の方法を選ぶと、規程と窓口のお知らせ、従事者の指定書をPDFとWordで作ります。

規程を作る

設置義務がある会社と、ない会社

公益通報者保護法第11条は、事業者に、通報に対応する従事者を定めることと、通報に適切に対応する体制を整え、労働者等に知らせることを求めています。常時使用する労働者が300人以下の事業者は、どちらも努力義務です(同条第3項)。

人数の数え方(パートや派遣の扱い)は、消費者庁の指針、指針の解説、ハンドブックには書かれていません。境目に近い会社は、消費者庁の公益通報者保護制度相談ダイヤルに確かめると確実です。

300人超の会社が従事者を指定していないと、消費者庁は報告を求め、助言・指導・勧告ができ、2026年12月1日からは勧告に従わない場合の命令と立入検査が加わり、命令違反や検査の拒否には30万円以下の罰金があります。

出典:公益通報者保護法(e-Gov法令検索、令和8年12月1日施行の改正を含む)

社内窓口と社外窓口

窓口は、特定の部門だけでなく全部門から受け付ける形(部門横断)にします。社内では総務部、法務部、コンプライアンス部などに置くことが多く、社外では法律事務所や専門機関、親会社に置くことができます。社内と社外の両方に置くこともできます。

指針の解説は、顧問弁護士を窓口にすると通報をためらう人がいるおそれがあるため、その旨を明示するなどの配慮を求めています。社長や役員が関係する通報には、監査役や社外取締役に報告するなど、幹部からの独立性を確保する経路を用意します。

窓口がハラスメントの相談窓口を兼ねることもできますが、その場合はハラスメントだけの窓口と誤解されないように知らせることが求められています。

出典:消費者庁 指針の解説(令和8年12月1日施行版)

従事者の指定

従事者は、窓口の担当者や調査をする人など、通報への対応の中で通報者が誰か分かる情報を伝えられる人です。会社は、指定書を渡すなど、本人に従事者になったことが分かる方法で指定します(指針第3)。

従事者には、通報者が分かる情報を正当な理由なく漏らしてはならない守秘義務があり(第12条)、違反すると30万円以下の罰金です(第22条)。この義務は従事者でなくなった後も続きます。消費者庁は、指定書と誓約書を一体にしたサンプルを公開しています。従事者には、指定のときと定期的に教育を行います。

出典:消費者庁 はじめての公益通報者保護法(内部通報制度導入支援キット)

受付から調査・是正・通知まで

受付の方法は、電話、メール、書面、面談、Webフォームなどから選びます。指針の解説は匿名の通報も受け付けることを必要としています。到達が分かりにくい方法で届いた通報には、受け付けた旨を知らせることが望ましいとされています。

調査は正当な理由がない限り行い、事案に関係する人は関わらせません。消費者庁の規程サンプルは、受け付けた日から20日以内に調査をするかどうかを通報者に知らせる形です。違反が分かれば是正し、後から効いているかを確かめます。書面で通報した人には、是正したこと、又は違反がなかったことを知らせます。

出典:消費者庁 公益通報者保護法に基づく指針(令和8年3月31日改正)

記録、点検、運用実績の開示

対応の記録を作り、適切な期間保管します。保管期間は法律で決まっておらず、指針の解説は会社ごとに評価・点検の必要などを考えて定めるとしています。記録には通報者が分かる情報が含まれるため、閲覧できる人を絞ります。

体制は定期的に評価・点検して改善し、通報の件数や是正の有無などの運用実績の概要を、関係者のプライバシーに支障がない範囲で、役員、従業員、業務を委託しているフリーランスに開示します(指針第4-3(2))。

出典:消費者庁 公益通報者保護法に基づく指針(令和8年3月31日改正)

2026年12月からの周知事項

改正で、体制の周知が法律の条文に明記され、指針は周知すべき事項を9つ(イからリ)に整理しました。窓口の連絡先と連絡方法、幹部からの独立性、調査・是正の進め方、利益相反の排除、不利益な取扱いの防止、範囲外共有・通報妨害・通報者探索の防止、是正措置等の通知、記録と運用実績の開示、調査への協力です。

周知の相手には、役員と従業員のほか、退職者、業務を委託しているフリーランスと委託が終わったフリーランスが含まれます。掲示や社内ポータルだけでなく、退職者や社外の人にも届く方法を考えます。内部通報規程メーカーの「窓口のお知らせ」は、この9項目をすべて載せています。

出典:消費者庁 公益通報者保護法に基づく指針(令和8年3月31日改正)

よくある勘違い

「300人以下の会社は、窓口について何もしなくてよい。」

→ 体制の整備は努力義務です。通報妨害や通報者探索、通報を理由とする不利益な取扱いの禁止は、規模を問わずかかります。

「窓口の担当者は口頭で決めれば足りる。」

→ 指針は、指定書などで本人に従事者であること(守秘義務と罰則を含む)が分かる方法で指定することを求めています。

「記録は法律で5年保存と決まっている。」

→ 保管期間は法律で決まっていません。会社が評価・点検の必要などを考えて適切な期間を定めます。

よくある質問

窓口の担当者が1人しかいない小さな会社はどうすればよいですか。

社外の法律事務所や親会社に窓口を置く方法があります。事案に関係する人を対応から外せるよう、代わりの報告先も決めておきます。

社外窓口の費用の目安はありますか。

公的な基準はありません。委託先ごとに見積もりを取って比べてください。

出典(確認日)

一般的な情報とひな形の提供です(弁護士法72条により、個別の事案についての相談はお受けしていません)。ご自身の事案は、消費者庁の公益通報者保護制度相談ダイヤル(一元的相談窓口)や弁護士にご相談ください。