敷金の勘定科目と仕訳
最終確認日 2026年10月30日
敷金の勘定科目は、一般的には個人事業主なら『差入保証金』、法人なら『差入保証金』です。退去のときに返ってくるお金なので経費ではなく資産として計上し、『敷金』という科目名で管理してもかまいません。
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仕訳例
契約時に払った敷金は、返ってくる見込みの金額を資産に計上します。契約書に「敷金のうち1か月分は返還しない」などの償却や敷引きの定めがあれば、その部分は返らないことが確定した時点で経費(20万円以上なら繰延資産)にします。退去の精算で原状回復費が差し引かれたら、その金額を修繕費などに振り替えます。
| ケース | 借方 | 貸方 | 消費税の区分 |
|---|---|---|---|
| 事務所の敷金を差し入れ(個人・普通預金) | 差入保証金 300,000円 | 普通預金 300,000円 | 不課税(対象外) |
| 店舗の保証金を差し入れ(法人・普通預金) | 差入保証金 1,200,000円 | 普通預金 1,200,000円 | 不課税(対象外) |
| 倉庫の敷金を個人のお金で(個人) | 差入保証金 80,000円 | 事業主借 80,000円 | 不課税(対象外) |
消費税とインボイス
タックスアンサーNo.6225は、契約が終わったときに返還される保証金や敷金を資産の譲渡等の対価に当たらないとしており、差し入れたときも返ってきたときも消費税の対象外です。
一方で、返還しないことが決まっている部分は、事業用の建物なら権利の設定の対価として課税、住宅なら非課税です。契約書に償却の定めがある敷金は、差し入れたときに返らない部分を分けて記帳すると、仕入税額控除の時期を取り違えません。
関連する科目
- 返ってこない礼金は、20万円未満なら地代家賃、以上なら繰延資産として礼金のページで扱いを確かめられます。
- 国税庁の資料に返還されない敷金を名指しした説明はなく、権利金と同じ繰延資産の考え方で扱うのが一般的です。
- 退去時の原状回復費用は、差し引かれた敷金から修繕費などに振り替えます。
よくある勘違い
「敷金は払った年の地代家賃として経費になる」
→ 返ってくる敷金は資産です。経費になるのは返らないことが決まった部分だけです。
「敷金にも家賃と同じ10%の消費税がかかる」
→ 返ってくる敷金は対価ではなく不課税です。返らない部分だけが事業用なら課税になります。
よくある質問
退去時に敷金が全額戻りました。
差入保証金を減らし、戻ってきた普通預金を増やす記帳だけで、損益は生じません。差し引かれた額があれば、その分を修繕費などにします。
保証金の償却が毎年少しずつ行われる契約です。
償却される額は返らないことが確定した年ごとに、地代家賃や支払手数料に振り替えます。事業用の建物なら、その部分は課税仕入として扱います。
敷金を貸借対照表のどこに書きますか。
個人の青色申告決算書の貸借対照表には敷金の行がないため、空欄の行に差入保証金などの科目を書き加えます。法人は投資その他の資産に表示します。
出典(確認日)
- 国税庁 タックスアンサー No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など(2026-10-30)
- 国税庁 所得税基本通達 2-27(繰延資産の範囲)(2026-10-30)
- 国税庁 令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方(2026-10-30)