労働保険料の勘定科目と仕訳
最終確認日 2026年10月30日
労働保険料の勘定科目は、一般的には個人事業主なら『法定福利費』、法人なら『法定福利費』です。個人の青色申告決算書には法定福利費の行がないため、空欄に追加するか印刷された『福利厚生費』に入れ、従業員の給与から差し引いた雇用保険料は『預り金』で処理します。
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仕訳例
労働保険料は毎年6月から7月の年度更新で、前年度の確定保険料と今年度の概算保険料をまとめて申告し納めます。納めた額のうち、従業員の負担になる雇用保険料は毎月の給与から預かって預り金にしているので、その分は預り金を減らし、残りの会社負担分を法定福利費にします。
| ケース | 借方 | 貸方 | 消費税の区分 |
|---|---|---|---|
| 年度更新で納付、全額を会社負担として(法人・税込経理・普通預金) | 法定福利費 86,400円 | 普通預金 86,400円 | 不課税(対象外) |
| 従業員1人の店の労働保険料(個人・税込経理・普通預金) | 法定福利費 28,700円 | 普通預金 28,700円 | 不課税(対象外) |
| 分割納付の第2期(法人・税抜経理・普通預金) | 法定福利費 42,000円 | 普通預金 42,000円 | 不課税(対象外) |
消費税とインボイス
国税庁の消費税課税取引の判定表は、健康保険料などの法定福利費を課税仕入れに当たらないものとしています。労働保険料は名前が挙がっていませんが、法律で納める保険料で対価性がないため、同じく対象外の区分で記帳するのが一般的です。
税抜経理を選んでいても仮払消費税は出てきません。労働保険事務組合や社会保険労務士に払う事務手数料は課税の役務なので、保険料と同じ日に払っても別の行で課税仕入にします。
関連する科目
- 会社負担の健康保険料や厚生年金保険料も、同じ法定福利費で記帳します。
- 従業員の給与から差し引く雇用保険料は給与の支払時に預り金とし、納付時に取り崩します。
- 一般拠出金は労災保険と一緒に納める石綿健康被害救済のための負担金で、法定福利費に含めて記帳されます。
よくある勘違い
「労働保険料は全額が会社の経費になる」
→ 雇用保険料のうち従業員の負担分は給与から預かったお金で、会社の経費は事業主の負担分だけです。
「保険料なので非課税仕入として記帳する」
→ 公的な保険料は対価性がないものとして対象外(不課税)で記帳するのが一般的です。どちらにしても控除はありません。
よくある質問
概算保険料が確定保険料より多く、差額が戻りました。
確定精算で生じた還付や今年度分への充当は、払いすぎた法定福利費を減らす形で記帳します。充当した場合は、今年度の概算保険料の前払い分として扱います。
事業主本人は労災保険に入れますか。
中小事業主や一人親方は特別加入の制度で労災保険に入れます。本人の保険料の扱いは従業員の保険料と異なるため、加入する団体の案内で確かめます。
労働保険料を分割で納めています。
概算保険料が一定額以上なら3回に分けて納められます。納めた回ごとに法定福利費と預り金を記帳し、年度末に従業員負担分の合計と照らし合わせます。
出典(確認日)
- 国税庁 消費税課税取引の判定表(令和6年分 個人事業者の消費税申告の手引き)(2026-10-30)
- 国税庁 所得税青色申告決算書(一般用)令和7年分 様式(2026-10-30)
- e-Gov法令検索 所得税法施行令(96条・138条・139条)(2026-10-30)