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貸倒引当金とは(資産の勘定科目)と仕訳

最終確認日 2026年10月31日

まず、よくある答え

貸倒引当金は、売掛金や貸付金のうち回収できなくなりそうな額を見積もり、資産から差し引く形で記録する勘定科目です(資産のマイナス項目)。税金の計算で使えるのは、青色申告の個人事業主と、資本金1億円以下の中小法人などに限られます。

設定できる人

個人事業主では、所得税法52条2項により、青色申告で事業所得のある人が年末の売掛金などの貸金をまとめて評価する一括評価の引当金を設定できます。個別の取引先が破産手続に入ったなどの事情があるときの個別評価は、同じ条の1項です。

法人では、法人税法52条1項により、資本金1億円以下の普通法人(中小法人等)や銀行・保険会社などが設定できます。資本金5億円以上の大法人の100%子会社は中小法人に含まれません。

一括評価の率

個人事業主の一括評価は、年末の貸金の帳簿価額の合計の5.5%(金融業は3.3%)までです(所得税法施行令145条)。

中小法人は、過去3年の貸倒れの実績から出した率の代わりに、業種ごとの法定繰入率を使えます(租税特別措置法施行令33条の7)。国税庁タックスアンサーNo.5501に同じ表が載っています。過去3年の平均所得が15億円を超える適用除外事業者は、法定繰入率を使えません。

中小法人の法定繰入率(2026年10月31日確認)。
業種法定繰入率
卸売及び小売業(飲食店業・料理店業を含む)1,000分の10
製造業1,000分の8
金融及び保険業1,000分の3
割賦販売小売業など1,000分の7
その他の事業1,000分の6

貸倒引当金の仕訳例

税金の計算は、前期末の引当金を全額戻し入れ、今期末の額を全額繰り入れる洗替の形が前提です(法人税法52条10項)。会計の指針(中小企業の会計に関する指針)は、差額だけを記帳する差額補充法を原則としていて、法人が差額で記帳するときは、明細書に相殺前の金額を書けば洗替をしたものとして扱われます(法人税基本通達11-1-1)。

金額は例です。消費税の区分は、科目の行ごとに付けます。法人は戻入の科目を貸倒引当金戻入益とすることが多くあります。
ケース借方貸方消費税の区分
前期末の引当金4万円を戻し入れた貸倒引当金 40,000円貸倒引当金戻入 40,000円対象外
今期末に6万円を繰り入れた貸倒引当金繰入 60,000円貸倒引当金 60,000円対象外
差額補充法で記帳する場合貸倒引当金繰入 20,000円貸倒引当金 20,000円対象外

決算書のどこに入るか

個人事業主の青色申告決算書では、損益計算書の各種引当金・準備金等の欄で、繰戻額等と繰入額等に分けて書きます。貸借対照表では負債・資本の部に貸倒引当金の行があります。法人の貸借対照表では、売掛金などの下に控除する形で表示するのが一般的です。

引当金の繰入も戻入も、何かを売り買いした取引ではないので消費税の対象外です。

関連する科目

勘定科目 検索・仕訳メーカー仕訳とは(借方と貸方の決まり)勘定科目の一覧(早見表)売掛金とは

よくある勘違い

「白色申告の個人事業主も一括評価の貸倒引当金を設定できる」

→ 一括評価は青色申告で事業所得のある人だけです。白色申告で使えるのは、破産手続などの事情がある個別評価に限られます。

「貸倒引当金を積めば、その分の消費税も戻ってくる」

→ 引当金は見積りで、消費税の対象外です。消費税の控除が受けられるのは、売掛金が実際に貸倒れになったときです。

よくある質問

5.5%は売上の5.5%ですか。

売上ではなく、年末に残っている売掛金・貸付金などの貸金の帳簿価額の合計に掛けます。

取引先が少なく貸倒れの心配がないときも設定すべきですか。

設定するかどうかは任意です。設定するなら、毎年同じ方法で計算し続けることが大切です。

出典(確認日)

一般的な情報とセルフチェックの提供です(税理士法52条により、個別の税務相談や申告書の作成はお受けしていません)。個別の判断は税理士または税務署にご相談ください。

取引の仕訳メーカー

取引と金額を選ぶと、借方・貸方と消費税の区分を表示します。入力はこのページの中だけで計算し、送信も保存もしていません。

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