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改善基準告示とは(トラック運転者)

最終確認日 2026年10月23日

まず、よくある答え

改善基準告示は、トラック・バス・タクシーなどの運転者の拘束時間、休息期間、運転時間の限度を定めた厚生労働大臣の告示です。トラックでは2024年4月1日から、1か月の拘束時間が原則284時間(労使協定で310時間)、1年が3,300時間(同3,400時間)、1日は13時間以内で最大15時間、休息期間は継続11時間以上を基本に9時間が下限、運転時間は2日平均で1日9時間・2週平均で1週44時間、連続運転は4時間までです。告示そのものに罰則はありませんが、労働基準監督署の指導と、運送事業の行政処分の対象になります。

改善基準告示 チェッカー(トラック)

1か月分の始業・終業・運転時間を入れると、拘束時間、休息期間、2日平均・2週平均の運転時間、連続運転を日ごとにチェックします。入力した時刻は送信しません。

1か月分をチェックする

改善基準告示は何を決めているか

正式な名前は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」で、平成元年の労働省告示第7号です。令和4年厚生労働省告示第367号で大きく改められ、2024年4月1日から今の基準が使われています。

決めているのは、始業から終業までの拘束時間、勤務と勤務の間の休息期間、ハンドルを握っている運転時間、休まずに運転できる連続運転時間の4つが中心です。トラック、バス、タクシー・ハイヤーで数字が分かれており、このページはトラック運転者の基準を扱います。

似た話として、時間外労働の年960時間の上限があります。こちらは労働基準法による法律上の上限で、2024年4月から自動車運転の業務にも適用されました。改善基準告示は、それとは別に拘束時間や休息の長さを決めている点が違います。

36協定の業種別の上限(自動車運転の業務は年960時間)

出典:厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(告示)

トラック運転者の基準一覧(2024年4月から)

告示第4条と施行通達から。時間はすべて上限または下限です。
項目基準例外・特例
1年の拘束時間3,300時間以内労使協定で3,400時間まで
1か月の拘束時間284時間以内労使協定で年6か月まで310時間。284時間超は連続3か月まで
1日の拘束時間13時間以内、最大15時間14時間超は週2回までが目安。宿泊を伴う長距離は週2回まで16時間
休息期間継続11時間以上が基本、9時間が下限宿泊を伴う長距離は週2回まで8時間。その運行の後は12時間以上
運転時間2日平均で1日9時間、2週平均で1週44時間なし
連続運転時間4時間以内(中断はおおむね10分以上で合計30分以上)SA・PA等に止められずやむを得ない場合は4時間30分まで
休日労働2週間に1回まで拘束時間の限度の範囲内

出典:厚生労働省 トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント(パンフレット)

2024年4月の改正で変わった点

施行通達は、改正前の旧告示の数字も示しています。1か月の拘束時間は293時間から284時間へ、労使協定で延長する場合の上限は320時間から310時間へ下がりました。1年の総拘束時間の上限は、旧告示の293時間×12か月=3,516時間から3,300時間(協定があれば3,400時間)になっています。

1日の最大拘束時間は16時間から15時間に短くなり、宿泊を伴う長距離貨物運送に限って週2回まで16時間が残りました。休息期間は、勤務終了後に継続8時間以上だったものが、継続11時間以上を与えるよう努めることを基本として、下限が9時間に引き上げられています。

運転時間の2日平均9時間と2週平均44時間は、旧告示から変わっていません。連続運転の中断は「連続10分以上」から「おおむね連続10分以上」に改められ、中断には原則として休憩を与えることになりました。

出典:厚生労働省 改善基準告示の施行通達(基発1223第3号)

労使協定で延ばせる範囲

1か月310時間・1年3,400時間への延長は、労使協定を結んだ場合に限られます。延長できるのは1年のうち6か月までで、284時間を超える月が3か月を超えて続かないようにすることと、時間外・休日労働を1か月100時間未満にするよう努めることが条件として付いています。

通達は、284時間と310時間を6か月ずつ組み合わせると年3,564時間になり、3,400時間に収まらないことにも触れています。延長する月を決めるときは、12か月の合計も同時に見る必要があります。

出典:厚生労働省 改善基準告示の施行通達(基発1223第3号)

罰則と行政処分

厚生労働省のQ&Aは、改善基準告示は法律ではなく厚生労働大臣の告示であるため、罰則の規定はないと答えています。基準を守っていない場合は、労働基準監督署が是正を指導し、重大な違反の疑いがあるときは地方運輸機関に通報されます。

トラック運送事業では、貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第4項と国土交通省の告示を通じて、改善基準告示を守ることが求められています。国土交通省の行政処分の基準には「勤務時間等基準告示の遵守違反」の項目があり、違反の件数に応じて警告や車両の使用停止(日車数)が定められています。

つまり、告示を守らなくてもすぐに刑事罰を受けるわけではありませんが、事業の許可を持つ運送会社にとっては、運行管理の違反として処分につながる基準です。

出典:厚生労働省 改善基準告示(トラック運転者)に関するQ&A

自社の運行を確かめるときの順番

改善基準告示 チェッカー(トラック)トラックの拘束時間の数え方運転時間と連続運転の数え方運転日報 作成

よくある勘違い

「改善基準告示に違反すると、すぐに罰金が科される。」

→ 告示そのものに罰則はありません。労働基準監督署の指導と、運送事業者に対する国土交通省の行政処分の対象になります。

「年960時間の上限を守っていれば、改善基準告示も守れている。」

→ 960時間は労働基準法の時間外労働の上限で、拘束時間や休息期間を決める改善基準告示とは別の基準です。両方を確かめます。

「2024年4月から運転時間の上限も短くなった。」

→ 通達によると、2日平均9時間と2週平均44時間は旧告示から変わっていません。変わったのは拘束時間、休息期間、連続運転の中断の考え方などです。

よくある質問

バスやタクシーの基準もこのページと同じですか。

違います。バス、タクシー・ハイヤーには別の条文と数字があり、厚生労働省のポータルサイトにそれぞれのページがあります。

個人事業主のドライバーにも適用されますか。

改善基準告示は雇われて働く運転者の基準ですが、厚生労働省のパンフレットは、トラック運送事業では輸送安全規則を通じて個人事業主も実質的に遵守が求められると説明しています。

出典(確認日)

一般的な情報とセルフチェックの提供です(社会保険労務士法27条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。この結果は目安です。違反かどうかの判断や個別の運行管理は、社会保険労務士や所轄の労働基準監督署・運輸支局にご確認ください。運行管理と運転日報の原本の作成・保存は事業者の責任です。