株主名簿とは
最終確認日 2026年10月22日
株主名簿は、株式会社が自分で作り、本店に備え置く株主の一覧です。株主の氏名又は名称と住所、持っている株式の数(種類株式発行会社は種類ごとの数)、株式を取得した日、株券発行会社なら株券の番号を書きます(会社法121条)。法務局は株主名簿を預からず、登記で株主の情報を出すのは、申請書に添付する「株主リスト」という別の書類です。
株主名簿 作成
株主と株式数を入れると、持株比率つきの株主名簿、記載事項証明書、株主リストの下書きを作れます。
株主名簿を作る記載事項は4つ
会社法121条は、株式会社に株主名簿の作成を義務づけ、記載する事項を「株主名簿記載事項」として並べています。会社の規模や株主の数による例外はなく、株主が社長1人だけの会社でも作ります。
取得日は、設立のときの引受けなら会社の成立の日(発起人は会社の成立の時に株主になります。会社法50条)、譲渡なら株式を譲り受けた日、のように、その株主が株式を手に入れた日を書きます。株主の住所が変わったときや株式が移ったときは、そのつど名簿を書き換えます。
- 株主の氏名又は名称及び住所
- 株主の有する株式の数(種類株式発行会社は、株式の種類と種類ごとの数)
- 株主が株式を取得した日
- 株券発行会社の場合は、株券の番号
どこに置き、誰が見られるか
株主名簿は本店に備え置きます。株主名簿管理人を置いた会社は、その営業所に置きます。株主と債権者は、営業時間内いつでも、理由を明らかにして閲覧や謄写を請求できます(会社法125条)。
会社が請求を断れるのは、権利の確保や行使に関する調査以外の目的である場合、業務を妨げる目的である場合、知った事実を利益を得て第三者に知らせる目的である場合などに限られています。紙でもデータでも作れますが、データの場合は画面や印刷で見せられるようにしておきます。
株主名簿記載事項証明書
株主は、会社に対して、自分についての株主名簿記載事項を書いた書面の交付を請求できます。この書面には代表取締役が署名し、又は記名押印します(会社法122条)。株券を発行していない会社で、株主が自分の株主としての地位を示すときに使う書面です。
証明書には請求した株主の分だけを書き、ほかの株主の氏名や持株数は載せません。株券発行会社では株券が地位を示すため、この規定は適用されません。
株主リストとの違い
株主リストは、登記の申請書に添付する書面で、商業登記規則61条2項・3項に定めがあります。株主全員の同意が要る登記では株主全員について、株主総会の決議が要る登記では、議決権の割合が高い順に、10名と3分の2に達するまでの人数の少ない方の株主について、氏名又は名称、住所、株式数、議決権数、議決権数の割合を書き、代表者が証明します。
株主名簿が会社の中に置いておく帳簿であるのに対し、株主リストは登記のたびに、その議案の時点の内容で作る提出書類です。法務省は書式例と記載例を Excel と PDF で公開しており、記載例では議決権数の割合を小数点以下1桁で示しています。株主名簿を正しく付けておけば、株主リストはそこから作れます。
1人会社の書き方
発起人が1人で全株を引き受けて設立した会社なら、株主名簿は1行です。氏名と住所、例えば300株、取得日は会社の成立の日(設立の登記をした日)を書き、持株比率は100パーセントになります。
1人会社でも、増資で新しい株主が入る、相続で株式が移るといった変化があれば名簿を書き換えます。異動の日付と内容を履歴として残しておくと、取得日の記載や後の株主リストの作成で迷いません。
実質的支配者リストとの関係
令和4年1月31日から、株式会社の申出により、商業登記所が会社の作った実質的支配者リストを保管して写しを交付する制度が始まりました。議決権の50パーセント超(いなければ25パーセント超)を持つ自然人などを書くもので、利用は任意です。株主名簿を作る義務とは別の制度ですが、名簿の持株数が基礎資料になります。
よくある勘違い
「株主名簿は法務局に出して保管してもらう。」
→ 株主名簿は会社が作って本店に備え置くもので、法務局には出しません。登記で使うのは株主リストです。
「株主が1人の会社は株主名簿を作らなくてよい。」
→ 会社法121条に株主の数による例外はなく、1人会社でも作ります。
「株主リストと株主名簿は同じもの。」
→ 株主リストは登記の申請書に添付する書面で、議案ごとに上位の株主を載せます。株主名簿は全株主の帳簿です。
よくある質問
株主名簿に決まった様式はありますか。
株主名簿の書式は会社法で決められていません。121条の記載事項がそろっていれば、表計算ソフトでも紙の台帳でも作れます。
株主の住所が変わったら書き換えますか。
書き換えます。会社は届け出を受けて名簿の住所を直し、変更した日を備考や履歴に残しておくと後で確かめやすくなります。
持株比率は名簿に書く必要がありますか。
121条の記載事項ではありませんが、議決権の割合を確かめたり株主リストを作ったりするときに役立つため、並べて書く会社が多く見られます。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 会社法(平成十七年法律第八十六号)(2026-10-22)
- e-Gov法令検索 商業登記規則(2026-10-22)
- 法務省「株主リスト」が登記の添付書面となりました(書式例・記載例)(2026-10-22)
- 法務省 実質的支配者リスト制度の創設(令和4年1月31日運用開始)(2026-10-22)