金融機関・郵便局の委任状
最終確認日 2026年10月24日
金融機関や郵便局の窓口で本人以外が手続きするときは、多くの場合、その金融機関が用意した所定の委任状の様式と、本人と代理人の本人確認書類が必要です。どの手続きを代理人に任せられるか、委任状に何を書くかは金融機関ごとに決まっていて、共通のルールはありません。先に窓口で確かめ、所定の様式を使います。
委任状の作成
委任者・代理人・委任する事項を入れて、委任状をWordとPDFで作ります。手書き用と英語版も作れます。
委任状を作る所定の様式と、窓口ごとの決まり
金融機関の手続きの代理は、法律で一律の形が決まっているものではなく、各金融機関の規定によります。銀行の業界団体も、相続の手続きについて、実際の手続き・内容・費用は銀行により異なると説明しています。
そのため、まず口座のある金融機関に、代理人で手続きできるか、所定の委任状があるか、何を持参するかを確かめます。所定の様式がない手続きで一般的な委任状を求められたときに、委任状の作成ツールの金融機関向けの文例を下書きとして使えます。
委任状に書かないもの
キャッシュカードの暗証番号は、委任状に書きません。書面に残すと、紛失や盗難のときに悪用されるおそれがあるためです。口座番号やマイナンバーも、所定の様式が求める場合を除いて書く必要はありません。
委任する事項は、払戻しなら金額、証明書なら種類と通数のように、手続きと範囲を具体的に書きます。「預金に関する一切の手続き」のような書き方は、何を任せたかが分からなくなります。
預金者が亡くなったとき
代理権は本人の死亡で消滅するため(民法111条1項1号)、生前に書いた委任状で、亡くなった人の預金を払い戻すことはできません。銀行の業界団体の資料も、家族であっても預金者の預金を払い出すことはできないと説明しています。
預金者が亡くなったあとは、相続の手続きになり、戸籍の証明書や遺産分割協議書、法定相続情報一覧図の写しなどを出します。相続人の1人が代表して手続きするときは、ほかの相続人からの委任状を求める金融機関があり、その様式も金融機関ごとに用意されています。
所定の様式がないときの書き方
金融機関に出す委任状を自分で作るときは、作成日、委任者と代理人の住所・氏名・生年月日、手続きをする金融機関と支店、委任する事項を書き、委任者が自署します。有効期限を書いておくと、いつまでの手続きを任せたのかがはっきりします。払戻しなら金額、証明書なら種類と通数まで書きます。
委任状の作成ツールの金融機関向けの文例は、残高証明書の発行請求、届け出た住所・氏名の変更、払戻しの手続き(金額を書く欄つき)を用意しています。代理人が受け取ったお金や書類を本人に渡すまでの記録も残しておくと、家族の間の行き違いを防げます。
代理人の本人確認と、本人への確認
代理人が窓口へ行くときは、代理人自身の本人確認書類を持参するのが一般的です。委任状の内容を本人に電話で確かめたり、本人の本人確認書類の提示を求めたりする金融機関もあると考えて、準備しておくと手続きが進みやすくなります。
本人が入院中などで来られない事情があるときは、その事情も窓口に伝えて、必要な書類を確かめます。個別の事情は、窓口のほか、司法書士や弁護士に相談できます。
よくある勘違い
「家族なら委任状なしで預金を引き出せる。」
→ 家族であっても、預金者本人の意思の確認なしには払い出せないのが原則です。多くの金融機関は所定の委任状と本人確認を求めます。
「委任状にはキャッシュカードの暗証番号を書く。」
→ 暗証番号は書きません。書面に残すと、紛失したときの被害が大きくなります。
「生前の委任状があれば、亡くなった後も手続きできる。」
→ 代理権は本人の死亡で消滅します。亡くなった後は相続の手続きです。
よくある質問
郵便局の窓口でも委任状は使えますか。
郵便局の窓口の手続きにも、それぞれ所定の委任状と本人確認の決まりがあります。窓口で確かめます。
自分で作った委任状は使えますか。
所定の様式がある手続きでは、その様式を使います。様式がない手続きで認められるかどうかは、窓口が判断します。
出典(確認日)
- 民法(e-Gov法令検索)第99条・第109条〜第111条・第643条・第653条・第656条(2026-10-24)
- 全国銀行協会 預金の相続手続について(2026-10-24)
- 国税庁 納税証明書の交付請求手続(代理人が請求する場合の委任状)(2026-10-24)