車通勤の通勤手当
最終確認日 2026年11月1日
車通勤の通勤手当は、いくら払うかを会社が決め、所得税ではそのうち片道の通勤距離の区分に応じた上限までが非課税になります。よく使われる決め方は「往復距離×出勤日数÷燃費×ガソリン単価」ですが、法律で決まった式ではありません。令和8年4月1日以後に支払われるべき分は、勤務先や駅の近くの駐車場代を月5,000円まで非課税の上限に足せます(最終確認日 2026年11月1日)。
通勤手当の計算
支給日、通勤の方法、片道の距離、定期代、駐車場代から、非課税の上限とその内訳、課税される額、社会保険の報酬に入れる1か月分を出します。
通勤手当を計算するガソリン代で決める計算式
ガソリン代から決める会社では、往復の距離に出勤日数をかけて走る距離を出し、燃費で割って使うガソリンの量にし、1リットル当たりの単価をかけます。往復30km、出勤20日、燃費15km/L、単価170円なら、40リットルで1か月6,800円です。
燃費は車種ごとの実際の値ではなく会社で決めた一律の値を使うことが多く、単価も毎月の店頭価格ではなく、半年や1年ごとに見直す決まりにしておくと計算が安定します。
このほか、片道の距離ごとに定額を決める方法や、1kmあたりの単価をかける方法もあります。どの方法でも、規程に式と見直しの時期を書いておくと、従業員ごとの差について説明しやすくなります。
距離の測り方
非課税の上限を決める片道の通勤距離は、直線距離ではなく、通勤経路にそった長さです(国税庁 No.2585)。地図アプリのルート検索で、自宅から勤務先まで実際に通る道の距離を出すのが一般的です。
遠回りの経路や、寄り道を含んだ距離で申請されることがあるため、会社は通勤届で経路と距離を出してもらい、地図で確かめてから決めます。駅まで車で行く人は、車で走る部分の距離だけを測ります。
非課税の距離区分とガソリン代の比べ方
ガソリン代で出した額と、非課税の上限は別のものです。片道12kmの人なら上限は7,300円で、上の式の6,800円はそれより少ないため全額が非課税です。上限を超えて払うと、超えた部分だけが給与として課税されます。
片道70kmの人が出勤20日、燃費15km/L、単価170円で計算すると、ガソリン代は1か月31,733円です。距離の区分の上限は45,700円なので、この額もすべて非課税の範囲に収まります。
駐車場代の扱い
上の片道70kmの人が勤務先の近くの駐車場を月6,000円で借り、その料金も手当として払うと、支給額は37,733円です。非課税の上限は45,700円に駐車場代の加算5,000円を足した50,700円なので、駐車場代が5,000円を超えていても、合計が上限の中なら全額が非課税です。
同じ人に月58,000円を払うなら、上限の50,700円を超える7,300円が課税になります。駐車場代を会社が直接払っている場合も、その額を通勤手当に含めて判定します。
加算の対象になるのは、令和8年4月1日以後に支払われるべき分で、勤務先や通勤で使う駅の近くにある駐車場等の料金です。自宅の駐車場代は、会社が手当を出しても非課税の上限には足せません。
課税になる分と給与明細の書き方
上限を超えた分は、その月の課税支給額に入れて源泉所得税を計算します。給与明細では、通勤手当を非課税の分と課税の分に分けて書くと、源泉徴収の計算の根拠がわかりやすくなります。
ガソリン単価を毎月見直して手当の額を変えている場合も、社会保険では固定的賃金の変動として扱うと日本年金機構の事例集は示しています。単価の見直しで額が大きく変わったときは、月額変更届に当たるかを確かめます。
車通勤を認めるときに決めておくこと
バイクや自転車で通う人にも同じ距離の区分が使われるため、規程では車だけでなく交通用具全体を対象にしておくと、あとで書き直す手間が減ります。
- 車通勤を許可制にするか、届出だけでよいか
- 手当の計算式(距離、出勤日数、燃費、単価)と単価を見直す時期
- 駐車場を会社が用意するか、従業員が借りて料金を手当に含めるか
- 任意保険への加入を条件にするか、通勤途中の事故の連絡の流れ
- 引っ越しや車の変更があったときの届出の期限
よくある勘違い
「ガソリン代で計算した手当なら、全額が非課税になる。」
→ 非課税になるのは片道の距離の区分ごとの上限までです。ガソリン代の計算が上限を超えれば、超えた分は課税されます。
「片道の距離は地図の直線距離で測ればよい。」
→ 国税庁は片道の通勤距離を通勤経路にそった長さとしています。実際に通る道の距離で測ります。
よくある質問
出勤日数が月によって違うときはどうしますか。
実際の出勤日数で毎月計算する会社も、月20日などと決めて定額にする会社もあります。毎月計算する場合も、非課税の上限は1か月ごとに比べます。
社用車で通勤する人にも通勤手当を払いますか。
会社の車で通う人は自分でガソリン代を負担しないことが多いため、通勤手当を払わない会社が一般的です。払うかどうかは規程で決めます。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当(2026-11-01)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正について(令和8年4月)(2026-11-01)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A(令和8年4月)問2-1〜問4-2(2026-11-01)
- 日本年金機構 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集(2026-11-01)