通勤手当の非課税限度額
最終確認日 2026年11月1日
通勤手当の非課税限度額は、電車・バス・有料道路を使う人なら1か月当たりの合理的な運賃等の額で月150,000円まで、車・バイク・自転車を使う人なら片道の通勤距離の区分ごとの額です。令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から、片道65km以上の区分が4段階に分かれて引き上げられ(最高66,400円)、勤務先や駅の近くの駐車場等の料金を月5,000円まで加算できるようになりました(最終確認日 2026年11月1日)。
通勤手当の計算
支給日、通勤の方法、片道の距離、定期代、駐車場代から、非課税の上限とその内訳、課税される額、社会保険の報酬に入れる1か月分を出します。
通勤手当を計算する非課税限度額の表(車・バイク・自転車、1か月当たり)
電車・バスだけの人は、改正の前も後も、最も経済的かつ合理的な経路と方法による1か月当たりの運賃等の額が上限で、最高150,000円です。車・バイク・自転車の人は次の表の額で、改正前はひとつだった55km以上の区分が分かれ、片道65km以上の額が上がりました。
| 片道の距離 | 令和8年4月1日以後 | 令和7年4月1日から令和8年3月31日まで |
|---|---|---|
| 片道2km未満 | 全額課税 | 全額課税 |
| 片道2km以上10km未満 | 4,200円 | 4,200円 |
| 片道10km以上15km未満 | 7,300円 | 7,300円 |
| 片道15km以上25km未満 | 13,500円 | 13,500円 |
| 片道25km以上35km未満 | 19,700円 | 19,700円 |
| 片道35km以上45km未満 | 25,900円 | 25,900円 |
| 片道45km以上55km未満 | 32,300円 | 32,300円 |
| 片道55km以上65km未満 | 38,700円 | 38,700円 |
| 片道65km以上75km未満 | 45,700円 | 38,700円 |
| 片道75km以上85km未満 | 52,700円 | 38,700円 |
| 片道85km以上95km未満 | 59,600円 | 38,700円 |
| 片道95km以上 | 66,400円 | 38,700円 |
駐車場代の加算(月5,000円まで)
令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当からは、車・バイク・自転車で通う人が一定の駐車場等の料金を負担している場合、距離の区分の額に1か月当たりの料金相当額(上限5,000円)を足した額が非課税の上限です。
国税庁のQ&Aのケースでは、片道50kmで1か月8,000円の駐車場を使う人に、距離分32,300円と駐車場分8,000円の合計40,300円を払うと、上限は32,300円に5,000円を足した37,300円で、超えた3,000円が課税です。
会社が従業員に代わって勤務先の近くの駐車場を契約し、月6,000円を払っている例(問4-2)も、その6,000円を通勤手当として払ったものとして計算します。距離分32,300円と合わせた38,300円に対して上限は37,300円なので、1,000円が課税になります。
- 勤務する場所の周辺、または通勤に使う交通機関の駅・停留所その他の施設(フェリー乗り場や空港など)の周辺にある駐車場等です。自宅付近の駐車場等は当たりません。
- 自転車やバイクの駐輪場も駐車場等に含まれます。
- 通勤のために複数の駐車場等を使うときは、料金の合計額(上限5,000円)が加算の対象です。
- 片道の通勤距離が2km未満の人には加算がありません。
- 料金に消費税及び地方消費税が含まれているときは、その額を含めた金額です。
- 月単位の料金はその額。3か月単位のように1か月の整数倍を単位とする料金は、その月数で割った額です(例 24,000円÷3か月=8,000円)。
- 年単位の料金は12で割った額。2年単位なら24で割ります(例 79,200円÷12=6,600円、168,960円÷24=7,040円)。
- 利用のたびに払う料金は、1か月に実際に払った合計額、1回の料金×通勤で使った回数(例 回数券1,200円÷11枚×20日=2,182円、1円未満切上げ)、またはそのほかの合理的な方法で出した額です。
- 7日単位などそのほかの料金は、年間の料金相当額(料金×365÷その期間の日数など)を12で割った額です(例 5,880円×365÷7=306,600円、÷12=25,550円)。
電車と車を両方使う人(併用)
駅まで車や自転車で行き、そこから電車に乗る人は、1か月当たりの運賃等の額と、交通用具を使う距離の区分の額(駐車場代の加算を含む)の合計が上限で、合計が150,000円を超えるときは150,000円です。
Q&Aのケースでは、電車の定期代が1か月115,000円、車の片道が50km、駐車場代が月4,000円の人に合計151,300円を払うと、上限は150,000円で、1,300円が課税になります。
駅までの交通用具の距離が片道2km未満なら、その部分は上限に入りません。この場合は電車・バスの運賃等の額だけで判定します。
徒歩、自転車、片道2km未満の場合
所得税法施行令20条の2が非課税の上限を定めているのは、交通機関・有料道路を使う人と、自動車その他の交通用具を使う人だけです。歩いて通う人に払う通勤手当は、どの区分にも当たらないため全額が給与として課税されます。
自転車は交通用具なので、車と同じ距離の区分を使います。片道2km以上10km未満なら上限は4,200円で、勤務先の近くの駐輪場代があれば、改正後は月5,000円まで加算できます。
車や自転車でも片道2km未満の人は、距離の区分の上限がなく、駐車場代の加算もないため、通勤手当は全額が課税です。
いつ支払う分から新しい表を使うか
どの表を使うかは、通勤手当が支払われるべき日で決まります。支給日が決まっていればその支給日、決まっていなければ実際に支給を受けた日です。給与規程をさかのぼって改めたために払う差額で、支給日の決まりがないものは改訂の効力が生じた日です。令和8年4月1日より前に支払われるべきだった通勤手当の差額を後から追加で払う場合は、改正前の表のままです。
例えば、3月分の通勤手当を4月10日に払うと賃金規程で決めている会社は、その支払いから新しい表を使います。反対に、3月中に払うはずだった分を4月になって追加で払う差額は、改正前の表で判定します。
令和7年の改正(55km未満の区分の引上げ)
令和7年の改正は令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当にさかのぼって適用されました。改正前の限度額を超えて課税していた分は、令和7年分の年末調整で対応が必要になることがあると国税庁は案内しています。
このとき引き上げられたのは2km以上の各区分で、例えば片道10km以上15km未満は7,100円から7,300円に、45km以上55km未満は28,000円から32,300円に上がりました。令和7年3月31日までに支払われるべき分は、さらに前の表で判定します。
| 片道の距離 | 令和7年4月1日から令和8年3月31日まで | 令和7年3月31日まで |
|---|---|---|
| 片道2km未満 | 全額課税 | 全額課税 |
| 片道2km以上10km未満 | 4,200円 | 4,200円 |
| 片道10km以上15km未満 | 7,300円 | 7,100円 |
| 片道15km以上25km未満 | 13,500円 | 12,900円 |
| 片道25km以上35km未満 | 19,700円 | 18,700円 |
| 片道35km以上45km未満 | 25,900円 | 24,400円 |
| 片道45km以上55km未満 | 32,300円 | 28,000円 |
| 片道55km以上65km未満 | 38,700円 | 31,600円 |
| 片道65km以上75km未満 | 38,700円 | 31,600円 |
| 片道75km以上85km未満 | 38,700円 | 31,600円 |
| 片道85km以上95km未満 | 38,700円 | 31,600円 |
| 片道95km以上 | 38,700円 | 31,600円 |
上限を超えた分の扱いと確認書類
限度額を超える部分は給与として課税され、支給した月の給与に上乗せして源泉徴収します。超えた分は課税対象の給与に足してから、その月の源泉徴収税額表で税額を出します。パートやアルバイトなど短期間雇い入れる人も、限度額は月を単位にして計算します。
契約書や領収書の提示を受ける法令上の義務はありませんが、1か月当たりの料金相当額を出すのに必要な金額は確認する必要があります。料金が変わったときは従業員から申し出を受けて確認し直します。
よくある勘違い
「2026年4月から、すべての距離で非課税の上限が上がった。」
→ 令和8年度の改正で上がったのは片道65km以上の区分だけです。55km未満の区分は令和7年の改正で上がったあと、変わっていません。
「自宅の近くで借りている月極駐車場の料金も加算できる。」
→ 加算の対象は、勤務先の周辺か、通勤で使う駅・停留所などの周辺にある駐車場等です。自宅付近の駐車場は対象外です。
よくある質問
新幹線の定期代も非課税になりますか。
新幹線や特急の運賃等も、その経路と方法が最も経済的かつ合理的なものに当たれば含まれます。グリーン料金(特別車両料金等)は含まれません(所得税基本通達9-6の3)。
駐車場の領収書は毎回集めますか。
法令上、提示を受ける義務はありません。ただ、1か月当たりの料金を確かめる必要はあるため、契約書や領収書を一度見せてもらい、料金が変わったら申し出てもらう流れにしておくと確認しやすくなります。
出典(確認日)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正について(令和8年4月)(2026-11-01)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A(令和8年4月)問2-1〜問4-2(2026-11-01)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の改正について(令和7年11月)(2026-11-01)
- 国税庁 No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当(2026-11-01)
- 国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当(2026-11-01)
- 国税庁 所得税基本通達9-6の3(新幹線通勤の場合の非課税とされる通勤手当)(2026-11-01)
- e-Gov法令検索 所得税法施行令(20条の2)(2026-11-01)