算定基礎届の書き方
最終確認日 2026年10月31日
算定基礎届は、4月・5月・6月の各月について支払基礎日数と報酬(通貨と現物)を書き、条件を満たす月だけの総計と平均額を書く届書です。一般の人は17日以上、短時間労働者は11日以上、パートは17日以上の月がなければ15日以上の月を平均に入れます。途中入社やさかのぼった昇給の差額があるときは修正平均額を書き、等級はその額で決まります(最終確認日 2026年10月31日)。
算定基礎の計算
4〜6月の給与と支払基礎日数から、平均に使う月、報酬月額の平均、9月からの等級と保険料の変化を出します。CSVつき。
算定基礎を計算する届書の欄の並び
算定基礎届は1人分が横1段で、左から①被保険者整理番号、②氏名、③生年月日、④適用年月、⑤従前の標準報酬月額、⑥従前改定月、⑦昇(降)給、⑧遡及支払額と並びます。その右に4月・5月・6月の3段で⑨給与支給月、⑩給与計算の基礎日数、⑪通貨によるものの額、⑫現物によるものの額、⑬合計を書きます。
最後に⑭総計(基礎日数の条件を満たす月だけの合計)、⑮平均額、⑯修正平均額、⑰個人番号(70歳以上被用者のみ)、⑱備考を書きます。⑤と④は日本年金機構から届く届書にあらかじめ印字されていることが多く、新しい標準報酬月額の欄は会社では書きません。
- ⑱備考の番号:1.70歳以上被用者算定、2.二以上勤務、3.月額変更予定、4.途中入社、5.病休・育休・休職等、6.短時間労働者(特定適用事業所等)、7.パート、8.年間平均、9.その他
記入例1 通常の月給の人
3か月とも暦日数が17日以上ある月給の人は、3か月分の⑬合計を⑭総計に書き、3で割った額を⑮平均額に書きます。ガイドブックの例は3か月とも671,000円で、平均額も671,000円です。令和8年は厚生年金保険の上限65万円にかかりますが、令和9年の届出なら33級の68万円に当たります。
| 支給月 | ⑩支払基礎日数 | ⑬合計 | 平均に |
|---|---|---|---|
| 4月 | 31日 | 671,000円 | 入れる |
| 5月 | 30日 | 671,000円 | 入れる |
| 6月 | 31日 | 671,000円 | 入れる |
記入例2 欠勤で17日未満の月がある人
月給の人でも、欠勤控除で支払基礎日数が17日に満たない月は平均から外します。ガイドブックの例では5月が10日しかないため、⑬合計は書いたうえで、⑭総計は4月と6月だけの535,000円、⑮平均額は2か月で割った267,500円です。現物給与がある月は⑫に金額を書いて⑬に足します。
| 支給月 | ⑩支払基礎日数 | ⑬合計 | 平均に |
|---|---|---|---|
| 4月 | 31日 | 271,000円 | 入れる |
| 5月 | 10日 | 124,000円 | 除く |
| 6月 | 31日 | 264,000円 | 入れる |
記入例3 パートと短時間労働者
パート(短時間就労者)は、まず17日以上の月だけで平均し、17日以上の月が1つもなければ15日以上の月で平均します。ガイドブックの例では14日・16日・18日の人は6月だけ、12日・15日・16日の人は5月と6月の2か月で計算します。⑱備考は「7.パート」です。
特定適用事業所などで社会保険に入っている短時間労働者は、11日以上の月で平均します。10日・11日・12日の例では4月を除いた2か月で平均額112,200円です。⑱備考は「6.短時間労働者(特定適用事業所等)」に丸を付けます。
| 支給月 | ⑩支払基礎日数 | ⑬合計 | 平均に |
|---|---|---|---|
| 4月 | 12日 | 78,000円 | 除く |
| 5月 | 15日 | 97,500円 | 入れる |
| 6月 | 16日 | 104,000円 | 入れる |
記入例4 途中入社の人
5月の途中に入社した人は、4月は空欄にし、5月と6月を書きます。5月が20日あれば⑭総計には入れますが、1か月分の給与ではないため、⑯修正平均額では5月を除きます。ガイドブックの例は総計348,000円、平均額174,000円、修正平均額200,000円で、等級は修正平均額で決まります。⑱備考は「4.途中入社」です。
| 支給月 | ⑩支払基礎日数 | ⑬合計 | 平均に |
|---|---|---|---|
| 5月 | 20日 | 148,000円 | 入れる |
| 6月 | 30日 | 200,000円 | 入れる |
記入例5 さかのぼって昇給の差額を払った人
3月分の昇給差額20,000円を4月の給与で払ったときは、⑦に昇給月、⑧に4月・20,000円を書き、4月の⑬合計には差額を含めた287,000円を書きます。⑭総計821,000円から差額を引いて3で割った267,000円が⑯修正平均額で、等級はこの額で決まります。⑮平均額の273,666円のまま等級を決めると高すぎることになります。
| 支給月 | ⑩支払基礎日数 | ⑬合計 | 平均に |
|---|---|---|---|
| 4月 | 31日 | 287,000円 | 入れる |
| 5月 | 30日 | 267,000円 | 入れる |
| 6月 | 31日 | 267,000円 | 入れる |
記入例6 70歳以上の人
70歳以上で働き続けている人は、厚生年金保険の被保険者ではありませんが、在職老齢年金の計算のため70歳以上被用者算定基礎届を出します。健康保険の被保険者でもあれば同じ1枚にまとめ、⑰に個人番号(または基礎年金番号)、⑱に「1.70歳以上被用者算定」と算定基礎月を書きます。
70歳になった月が4〜6月の中にあるときは、70歳以上被用者の分は70歳到達日以後の期間の報酬だけで計算します。ガイドブックの例では健康保険は3か月の平均297,730円、70歳以上被用者の分は6月だけの282,140円です。75歳以上の人は健康保険が後期高齢者医療制度に移るため、70歳以上被用者の分だけを書きます。
よくある間違い
書き終えたら、⑭総計が⑬合計のうち条件を満たす月だけの和になっているか、⑯修正平均額を書いた人は備考も合っているかを見直します。4〜6月の給与の数字は給与明細や賃金台帳と照らし合わせると確実です。
- 給与の計算期間で月を数える(正しくは実際に支払った月)
- 通勤手当を報酬に入れ忘れる、6か月定期を渡した月に全額を入れる
- 支払基礎日数17日未満の月も⑭総計に入れる
- 6月1日以降に入社した人の報酬を書く
- 7月改定の月額変更届を出す人の報酬欄を埋めて、備考の「3.月額変更予定」に丸を付けない
- 遡及して払った差額を除かずに⑮平均額で等級を決める
- ⑮平均額の1円未満を四捨五入する(正しくは切り捨て)
算定基礎の計算(平均・等級・9月からの保険料、CSV)算定基礎届とは(対象者、提出期限)月額変更届(随時改定)判定給与明細 作成
よくある勘違い
「⑮平均額がそのまま新しい等級になる。」
→ ⑯修正平均額を書いた人は、修正平均額で等級が決まります。途中入社の月やさかのぼった差額を除いた額です。
「70歳以上の人は厚生年金に入らないので書かなくてよい。」
→ 在職老齢年金の計算に使うため、70歳以上被用者算定基礎届として報酬を書きます。
よくある質問
賞与は報酬に入れますか。
年3回以下の賞与は入れません。年4回以上支給する賞与は、7月1日前の1年間の合計を12で割った額を各月の報酬に足します。
休職中で給与が出ていない人はどう書きますか。
支払基礎日数が0日の月として書き、3か月とも条件を満たさなければ従前の標準報酬月額で決まります。備考は「5.病休・育休・休職等」です。
4〜6月だけ残業が特に多い業種はどうなりますか。
4〜6月の平均と、前年7月からの1年間の平均とで2等級以上の差が毎年出る場合は、事業主の申立書と本人の同意書を付けて年間平均で決める方法があります。
出典(確認日)
- 日本年金機構 算定基礎届の記入・提出ガイドブック(令和8年度)(2026-10-31)
- 日本年金機構 定時決定(算定基礎届)(2026-10-31)
- e-Gov法令検索 健康保険法(41条)(2026-10-31)
- e-Gov法令検索 厚生年金保険法(20条・21条)(2026-10-31)