「マネーフォワード クラウド請求書で、ドル建ての請求書や英語の請求書を作りたい」--そう思って設定を探しても見つからず、困っている方は少なくありません。結論から言うと、現状のマネーフォワードは外貨建て・英語の請求書を標準ではサポートしていません。
マネーフォワードの制約
マネーフォワード クラウド請求書は、日本国内の取引を前提に設計されています。
- 通貨は日本円のみ - 外貨建ての金額入力・表示には対応していません(公式ヘルプでも案内されています)。
- 英語テンプレートがない - 帳票の項目名は日本語が基本で、英語表記への切り替えはできません。
- 為替換算の機能がない - 円換算の参考表示などは想定されていません。
これは「不具合」ではなく設計思想の問題なので、設定を探しても解決しません。
取り得る解決策
1. Excelで作り直す
最も手軽ですが、マネーフォワードのデータを手で転記する必要があります。件数が少ないうちは回りますが、毎月続けると転記ミスや更新漏れのリスクが高まります。
2. 海外請求に特化したツールを使う
PASELLYのような海外向け請求サービスは、外貨や英語に対応しています。ただし多くは会計データを改めて入力する必要があり、二重管理になりがちです。
3. 既存データと連携できるツールを使う
会計データをそのまま取り込み、英語・外貨のPDFに変換できれば、転記の手間がなくなります。BridgeInvoiceはこのアプローチを取っています。
既存データ連携という考え方
BridgeInvoiceは会計データとOAuthで連携し、入力済みの請求情報を再入力なしで英語・日英バイリンガルの請求書に変換します。
- 外貨換算 - USD・EUR など主要通貨に自動換算し、為替の参考表示も可能
- 税率別内訳 - インボイス制度に準拠(税率ごとに1回の端数処理)
- 源泉徴収・SWIFT・海外住所 - 海外請求で必要な項目を標準サポート
※ 現在はfreeeとの連携に対応しています。マネーフォワード連携は今後の対応予定です。マネーフォワードをお使いの場合は、当面はエクスポートしたデータをもとに作成する運用が現実的です。
マネーフォワード クラウド請求書で英語・外貨の請求書を作る手順
標準機能で完結しない以上、現実的な作り方は「マネーフォワードで管理している請求情報をもとに、英語・外貨に対応した別ツールで発行する」流れになります。手順は次のとおりです。
- マネーフォワードで取引先・品目・金額を確認します(会計・請求の一次情報はマネーフォワード側に残したままで構いません)。
- 英語・外貨に対応した請求書ツールで、通貨(USD・EURなど)と言語(英語・日英)を選びます。
- 為替の参考レート、税率別内訳、SWIFT/BICコードを入力し、PDFを発行します。
BridgeInvoiceでは、通貨と言語を選ぶだけで体裁が整い、外貨建てでも消費税額を円で併記します。まずは英文請求書を無料で作成し、海外取引の税区分から始めたい場合は海外取引の設定で作成してみてください。
英語・外貨の請求書で確認すべき項目
- 通貨と為替表示:請求額をUSD・EURなどで表示し、必要に応じて円換算を参考表示します。
- 消費税の区分:海外取引は輸出免税(0%)か不課税になることが多く、標準10%とは限りません。考え方は英文請求書の消費税の書き方で解説しています。
- 送金情報:海外送金にはSWIFT/BICコードが必須です。送金手数料の負担(当方・折半・先方)も明記しておくと安全です。
消費税の個別の判断は顧問税理士にご確認ください(執筆時点:2026年9月)。
マネーフォワードのデータをエクスポートして使う
マネーフォワード連携に未対応のツールを使う場合は、いったんマネーフォワードから請求データをエクスポートし、それをもとに英語・外貨の請求書を作る運用が現実的です。手順の目安は次のとおりです。
- マネーフォワード クラウド請求書で対象の請求データを確認・エクスポートします。
- 取引先名・品目・数量・単価を、英語・外貨対応の請求書ツールに入力します(saved clients / items 機能があれば、二回目以降は再入力を省けます)。
- 通貨・言語・税区分を設定してPDFを発行します。
一次情報はマネーフォワード側に残したまま、発行だけを外部で行うイメージです。取引先や品目を繰り返し使う場合は、ツール側に保存しておくと毎回の入力を減らせます。海外口座や送金まわりの実務はkaigai-freelance.comの情報も参考になります。
よくある質問
Q. マネーフォワードを解約する必要はありますか。 いいえ。国内の会計・請求はマネーフォワードで続けたまま、海外向けの請求書だけを別ツールで発行する運用で問題ありません。二重管理を避けたい場合は、取引先・品目を発行側ツールに保存しておくと入力が最小限で済みます。
Q. 円建てと外貨建て、どちらで請求すべきですか。 海外のクライアントには外貨建て(USD・EURなど)のほうが分かりやすいことが多いですが、為替リスクを誰が負うかで判断が変わります。請求額を外貨で確定させると為替リスクは自分が負い、円建てにすると相手側に寄ります。
Q. 消費税はどう扱えばよいですか。 海外の非居住者向けサービスは輸出免税(0%)や不課税になることが多く、標準10%とは限りません。区分の考え方は英文請求書の消費税の書き方をご覧ください。
まとめ
マネーフォワード単体では外貨・英語の請求書は作れません。Excelでの手作りか、外貨・英語に対応したツールを併用するのが現実的な解決策です。会計データの再利用を重視するなら、連携型ツールが最も手間を減らせます。