公開: 2026年6月 | 2025年12月の税制改正大綱に基づく最新情報

2026年9月30日をもって、消費税の「2割特例」が終了します。しかし、2025年12月に閣議決定された税制改正大綱で、個人事業主限定の「3割特例」が新たに導入されることが確定しました。

多くの消費税シミュレーターはまだこの3割特例に対応していません。ここでは、2026年10月以降に使える4つの方式を詳しく解説します。

2026年10月に何が変わるのか

インボイス制度が2023年10月に開始されたとき、新規登録した免税事業者の負担を軽減するために「2割特例」が設けられました。売上にかかる消費税のわずか20%を納付すればよいという、非常に有利な制度でした。

この2割特例が2026年9月末で終了します。

10月1日以降、消費税の計算方法は4つの選択肢になります。

1. 3割特例(新設) 売上にかかる消費税の30%を納付。個人事業主のみが対象で、2026年10月〜2028年9月の課税期間に適用可能。届出不要で自動適用されます。

2. 簡易課税 業種ごとの「みなし仕入率」を使って計算。仕入率は卸売業90%〜不動産業40%まで。基準期間の課税売上高が5,000万円以下であることが条件。届出書の提出が必要です。

3. 本則課税(原則課税) 実際の課税仕入れに基づいて計算。すべての仕入先のインボイス(T番号)を確認・保存する必要があり、帳簿管理の負担が大きくなります。ただし、経費が多い事業者にとっては最も税額が少なくなる場合があります。

4. 免税事業者 基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合、インボイス登録を取りやめて消費税を納付しないことも選択肢です。ただし、取引先がBtoB中心の場合、仕入税額控除を受けられなくなるため、取引先に不利益が生じます。

具体例:サービス業フリーランスの場合

年間売上800万円(税込)、経費150万円のITコンサルタントを例に計算してみましょう。

方式 税額
2割特例(終了前) 約14.5万円
3割特例(2026年10月〜) 約21.8万円
簡易課税(サービス業50%) 約36.4万円
本則課税 約59.1万円

最も有利な方式と最も不利な方式の差は年間約44.6万円。方式選択を間違えると、大きな損失につながります。

→ 4方式シミュレーターで自分の数字を確認する

最重要の期限:2026年12月31日

2027年(令和9年)から簡易課税を適用したい場合、「消費税簡易課税制度選択届出書」を2026年12月31日までに提出する必要があります。

この期限を過ぎると、2027年は自動的に本則課税が適用されます。サービス業のフリーランスにとって、これは最も税負担が重い方式です。

3割特例は届出不要(自動適用)ですが、2028年9月で終了するため、長期的な方式選択は今から考えておく必要があります。

判断のポイント

経費が売上に対して少ない(サービス業のフリーランスの大半): 2026年10月〜2028年9月は3割特例を利用。その後は簡易課税へ移行。2028年12月31日までに届出書を提出。

経費が多い(製造業、在庫を持つ小売業など): 本則課税と簡易課税を比較。実際の仕入税額がみなし仕入率を上回る場合、本則課税が有利。

主にBtoC(消費者向け販売): インボイス登録の維持が本当に必要かを検討。消費者は仕入税額控除を使わないため、登録の有無は取引に影響しない。売上1,000万円以下なら免税も選択肢。

法人の場合: 3割特例は法人には適用されません。簡易課税・本則課税・免税のいずれかを選択してください。

今すぐやるべきこと

  1. 4方式で数字を比較する。 3割特例に対応したシミュレーターで試算しましょう。→ 消費税4方式シミュレーター
  2. 2026年12月31日をカレンダーに登録。 簡易課税が最適なら、届出書の提出を忘れずに。
  3. 税理士に相談する。 複数の所得がある場合や年の途中で登録した場合など、個別の事情がある場合は専門家に確認を。

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